当サイト運営者
ボランティアとは何だろう、社会貢献とは何だろう・・・・そんな事を考えていました。私は以前、東京都内でコンビニや携帯電話店を営んでいましたが、阪神淡路大震災の時には、何かの約に立ちたいと、発生日の午前中から自らのコンビニ店頭で募金活動をしたり、店舗倉庫を利用して不要品(特に衣料品)を集め被災地へ送るなど、元々こうした事に無関心ではありませんでした。後に携帯電話店を営んでゆくうちに「i-mode」が発売されるという情報を得て、まだPCでもインターネットをよく知らなかった私は「これからは携帯電話でインターネットができる」と思ったものです(確かに携帯でのインターネットですが、当時はPCの変わりに携帯で閲覧するのだと考えていました)。

是非、自分でもi-modeを生かした事(それは仕事なのか趣味なのか、その時点では漠然としていました)がしたいと思いました。そこでまず、自分の店舗でi-modeを購入して下さったお客様に、「新機種の情報」や「価格」等を案内するサイトを作りました。それがスタートになり、現在の携帯電話向けの広告配信業務へと繋がってゆくわけですが、顧客を対象にした閉鎖的なものではなく、もっと広い範囲のユーザーを対象にしたサイトをやってみたいと思っていました。そんなある時、本HPの開設のきっかけになるあるサイトに出会います。それが本HPでもご紹介しているPC版の災害掲示板です。そのサイト上には「i-mode版を制作してくれる方募集」の記述がありました。元々ボランティアにも社会貢献にも無関心でなかった私は、災害というものとi-modeがどうリンクできるのかを数日間考えました。

その結果、何よりも携帯電話の「携帯性」=つまりいつでもどこでも持ち歩く=という特性が、災害(情報)に有益なのではないかと思ったわけです。そこでPC版の運営者さんに申し出て、現在の「i-mode版災害掲示板」ができたという次第です。

当時は携帯WEBの特性を生かしたコンテンツやその有用性が論じられていた時代で、当サイトは大手の検索エンジンや著名な雑誌等に毎月のように紹介されるサイトになる事ができました。それは万が一の災害時により多くの方が当サイトを認知しておいて頂けるという意味で大変喜ばしい事でした。しかし一方では、ユーザーからは「地震情報がすぐ掲載されなかった」、「自分の住むエリアの情報だけが早いのは不公平」等々。。。様々なクレームや苦言を頂きました。もちろん地域や時間に無関係に情報を提供できればそれが最善でしょうが、個人運営であれば夜間は就寝しますし、その間に起きた有感できない地震などの速報をできるはずもありません。こうした状況でユーザーの身勝手というものにサイトの閉鎖を真剣に考えた時期もありました。また当サイトの本来の目的は大災害発生時の安否掲示板の提供です。なまじ地震や台風の速報などをするから、こうしたクレームを受けるのだと速報の配信を中止した時期もありました。

そんな時に三菱総研から1通のメールが届きました。「防災に対する新たな試み」というテーマで内閣府の防災委員会に資料として提出したいとのお申し出でした。結局は防災委員会に資料として提出される事はありませんでしたが、それでも私の中では「必要性を認めてくれる方もいる」という「気持ちの核」ができた瞬間でした。そうボランティアとは「求められるものを提供する」のではなく「自らができる事をする」という考えが確定した瞬間でもありました。できる事できる範囲で続けて行こうと心が決まりました。なぜなら一部のユーザーからクレームを受けるサイトであっても、他に代わるものがない限りその存在を「是」としてくれるユーザーもいるからです。

それから私は、国や地方自治体、携帯電話事業者等の、大きな組織でもっとユーザーのニーズに答えられるサイトが登場するまで・・・・と思いながら4年間を運営してきました。そしてとうとう先頃、NTTドコモが公式サービスとして「災害用伝言掲示板」のサービスを開始してくれました。当然ながらその機能や対応の点で、個人サイトである当サイトを凌ぐのは間違いないでしょう。あってはならない事ですが万が一大震災が発生した場合でも、少なくともi-modeユーザーには「ちゃんとした」伝言掲示板が提供される事になった訳です。しかし残念な事にこのサービスはあくまでドコモユーザーのためのサービスであり、他の事業者のユーザーは利用する事はできません。この先ドコモ主導で全てのキャリア共通のサービスに発展してくれる事を願って止みません。ドコモは最大手である責任においてそれを主導すべきだと思いますし、そうした倫理を持ってこそ世界に冠たる企業であろうと思います。

あと3つの携帯電話事業者と、数社のPHS事業者のユーザー向けのサービスが個々の事業者から提供されれば・・・・というのが、目下の私の願いです。願わくば、各事業者独立ではなく共通で利用できるサービスを展開して欲しいところです。家族で異なる事業者の携帯を使用しているのはよくある事ですから、契約する事業者が違っても利用できなければ、本当の意味での災害掲示板の機能は果せないと考えます。さらに欲を言えば各キャリア共通で利用できる一方で、設置されるサーバー自体が被災する可能性も考慮すれば、各事業者のサーバーが各々に対してミラーサーバーとなり、被災によるダウンを回避する方向も検討して欲しいと思います。

個人運営のこのサイトなど、事業者から見れば取るに足らないサイトかもしれませんが、今現在あの大ドコモで実現できていない「各キャリア共通」という点においては当サイトの存在意義は今しばらくあろうかと思います。各キャリアが事業者の枠を超えて「共通利用」ができる正規サービスを開始するまで、私は私のできる範囲で出きる事を続けていこうと考えています。

私が生業として経営する広告配信業務においても、その広告収益の一部をNPO団体に寄付する活動を本年7月より開始しました。中には「出会い広告を配信しておいて何がボランティアだ」等の淋しい意見や批判も受けますが、私にとってのボランティア・社会貢献は、職業はもちろん人種・性別・年齢・肩書き等々とは何ら関係ないと思っています。もし関係があるとすれば、当災害掲示板はインターネット業務を行っている立場(つまり情報を発信できる立場)の者として、その立場を生かしている(HTMLがまがりなりに書ける/サーバーを提供できる等)という点でしょうか。いずれにしても本災害掲示板にせよ寄付活動にせよ、背伸びをせず自分サイズで今後も取組んでゆこうと思う今日この頃です。

災害掲示板運営者
mobile-Pal代表取締役
(2004.09.05)

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