今回は、何かと話題のクレジットカードである「三井住友カード」と「三菱UFJカード」を取り上げます。どちらも最大で15%~20%もの高還元を謳っていますが、実際毎日の生活でお得なのはどちらなのか、実際の使い道などから検証してみようと思います。
筆者はいずれのカードも保有しており、高還元を活かしています。
買い物時に少しでもポイント還元で得したい!
毎日のお買い物やコンビニ、飲食店、ドラッグストアなどの利用の際、どんな決済方法を使っていますか?
現金?
○○ペイ?
現金での支払いだと、1000円の買い物に対して現金1000円を支払います。それだけ。ポイントカードに印を押してくれる場合もありますが、現金払いは基本何もお得はありません。
『現金で支払って何もプラスアルファのお得がなくても問題ない』
という方には、本稿にはお読み頂いてプラスになる話しはありません。本項はポイントを貰って少しでもお得をゲットしたい…という方のための記事です。
QRコード決済の現時点でのポイント付与状況
楽天ペイ | PayPay | d払い | auPay | ||
残高払い | クレカ払い | ||||
決済時ポイント付与 | 1.5% | 0.5% | 0.5% | 0.5% | 0.5% |
自社クレカチャージ時 | – | 0.5% | 0.5% | 0.5% | – |
他社クレカチャージ時 | – | – | – | – | 1.0%(※) |
合計付与率 | 1.5% | 1.0% | 1.0% | 1.0% | 1.5% |
まず最初に、スマホのQRコード決済の還元率をチェックしておきましょう。
楽天ペイやPayPayなどの、いわゆるQRコード決済(スマホ決済)のポイント付与の状態を一覧にしました。
【楽天ペイ】
楽天ペイは2024年にポイント付与ルールが改訂され、クレカチャージ時のポイント付与を廃止した代わりに、『(チャージ方法に関わらず)楽天ペイ利用時に1.5%還元』に統一しました。
これによって、楽天ペイが使えるお店なら、楽天ペイで支払いをすれば必ず1.5%が還元されるようになりました。チャージ方法を考える必要なくただ単にアプリを使って支払えばだれでも1.5%還元が得られます。
【PayPay】
小さな個人店舗では「PayPayだけ使えます」というお店も少なくなく、最も浸透しているQR決済と言えるのがPayPayです。
PayPayの場合には、残高にチャージして支払う方法と、クレジットカードで決済する方法がありますがポイント付与率は同じです。
残高チャージ払いの場合は、PayPayカードからのチャージ時に0.5%付与、決済時に0.5%の合計1.0%、クレカ払いの場合も決済時に0.5%付与、クレカ決済時に0.5%が付与され合計1.0%還元となりす。
そのほか、PayPayには「PayPayステップ」という利用に応じた付与率アップの仕組みも存在しますが、一般的な方はほとんど実現できないと思いますので、ここでは「PayPayステップ」は無視します。
【PayPayステップとは】
- 200円以上の買い物を月間30回以上
- 支払総額が月間10万円以上
【d払い】
d払いの場合には、dカードからの残高チャージで0.5%、アプリでの決済時に0.5%で合計1.0%還元となります。
ちなみにd払いでは、dカード以外のクレカからのチャージはできません。
【au Pay】
au Payの場合は他のペイと少し様子が違っていて、自社クレカ(auPayカード)からチャージしてもポイントは1ポイントも付与されません。なので多くのユーザーが「auPayダメじゃん」と考えてしまうのですが、実は、auPayは他社クレカからのチャージが可能なんです。
auPayチャージでポイントを付与するクレカはあまり多くありませんが、例えば、QRコード決済のライバルである「PayPayカード」や「dカード」は、auPayの残高チャージで1%のポイントが付与されるので、アプリ決済時の0.5%と併せて1.5%還元を実現できるのです。
ポイント還元率だけで見れば、楽天ペイが最も手間がかからず1.5%還元を得られます。ポイント付与対象カードを持っているという条件付きながら、auPayもトータル1.5%還元を得ることができます。
PayPayやd払いは、利用可能店が多いので便利な反面、ポイント付与率においてはあまり魅力があるとは言えません。
お店でQRコード決済を利用する場合は、ポイント付与率の高い決済方法から選ぶようにしましょう。
①楽天ペイ・②auPay
③PayPay・d払い
でも正直言って、1.0%しか得られない、1.5%得られると言っても所詮0.5%の差しかありません。月間5万円をQRコード決済した場合でも250円しか違わないんですよね^^;
そこで筆者は最近はクレジットカードの使い分けでお得をゲットしています!
クレカを適材適所で使い分けるのがお得!
QRコードではあまり大きなお得を得られないので、それ以外にキャッシュレス決済の方法がないという場合を除いてはほとんど使いません。今は「クレカの使い分け」がおすすめです!
現在、筆者が利用している1軍クレジットカード5選
- リクルートカードプラスJCB(2%還元)
- Visa LINE Pay クレカ(+P)(5%還元)
- 三井住友カード(対象店で最大7%還元)
- 三菱UFJカード(対象店で最大5.5%還元)
- PayPayカード(1%還元)
◇リクルートカードプラスJCB(支払総額の2%)
「リクルートプラスJCB」カードは、年会費が2,200円(税込)かかりますが、利用額合計に対して2%の還元を得られますが、現時点で新規会員の募集を終了しているため、これから新たにカード発行することはできません。
利用額の合計に2%還元(※都度付与ではない)してくれるので無駄がなく効率よく高還元を得られるため、筆者のメインカードとして公共料金やスマホ料金、その他のサブスク料金などはすべてこのカードに集約しています。
このカードを基準にものを考えるので、還元率2%未満の決済ツール(例えばQRコード決済)は、自分の『支払いツール1軍』には入りません。
◇Visa LINE Pay クレカ(+P)
LINE Payで支払う(チャージ&ペイ)際のみに利用可能なカードで、発行元は三井住友カードです。
このカードは月間上限500P(購入額で1万円)までLINE Pay支払いで5%を還元してくれる高還元カードで、LINE Payが利用可能な店舗はもちろん、QRコード読み取り式のPayPay加盟店でも利用可能です。
5%還元は有難いのですが、いかんせん月間1万円購入分までと上限が低いので、ここぞという場面でしか使用できないのが難点です。
ただしLINE Pay消滅に合わせて、カード自体も機能停止になる見込みです(2025年3月)。
◇PayPayカード
前述のとおり「PayPayは他の決済ツールよりお得」な場面はほぼ皆無なので、積極的に利用することはありませんが、すべてのキャッシュレス決済がNGで「PayPayだけOK」というお店は少なくありません。
そんな場面では、『現金支払いよりマシ』ということでPayPayを使用することがあるため、必然的にPayPayカードによる決済を行わざるを得ません。非常に消極的な利用で月に1回あるかないかの頻度ですが、確実に利用機会はあります。またauPayへのチャージで1%還元対象になるのでそちらでの利用も稀にあります。
◇三井住友カード&三菱UFJカード
実は本稿の「肝」はこの2枚のカードです。
本章冒頭の「クレカ使い分け」は具体的には、三井住友カードと三菱UFJカードの使い分けになります。いずれも高還元を謳っており、使い方によってはかなりお得なカードなのです。
方や、コンビニやファストフード店で最大7%還元の三井住友カードは、家族登録で最大5%プラスが可能、さらにOliveアカウントを作って三井住友グループのサービス利用などで最大20%還元まで拡大可能です。
方や、コンビニやスーパー、飲食店などで5.5%の還元が可能な三菱UFJカードは、いくつかの条件をクリアすることで、9.5%(最大29,000円)を加算することが可能で、最大15%還元を狙えるカードです。
利用可能店舗の違いや、ポイント付与方法等の違いについて、次章以降で詳しく比較してみようと思います。はっきり言って、どっちが得なの?に答えを出しちゃいます。
三井住友カードと三菱UFJカードを徹底比較!
三井住友カード(SMBC) | 三菱UFJカード(MUFJ) | |
年会費 | 永年無料 | 永年無料 |
通常還元率 | 0.50% 200円ごとに1ポイント | 0.50% 1000円ごとに1P(5円相当) |
対象店還元率 | 対象店7%還元 +家族ポイント最大5% +Vポイントアップ8% 合計最大20% | 対象店5.5%還元 +条件達成特典最大9.5% 合計最大15% |
付与ポイント | Vポイント | グローバルポイント |
まず、2枚のクレカの基本情報を整理します。
年会費はいずれも永年無料です(MUFJカードは改定あり)。通常利用でのポイント還元率は0.5%とあまり魅力的ではありません。
注目なのは「対象店還元率」です。
SMBCカードは、対象店舗でクレジットカードを利用するだけで最大7%還元を受けられるうえ、家族を招待・登録することで+5%(家族1人1%)アップ、さらにOliveアカウント登録やアプリログインなど、いわゆる「Vポイントアッププログラム」を加えると、最大で20%まで還元率を上げることができます。
MUFJカードは、対象店舗でクレジットカードを利用するだけで基本の5.5%還元を得られます。さらにアプリログインや携帯料金支払い、サービス登録など比較的実現しやすい条件をクリアすることで、最大15%まで還元率をアップすることが可能です。
ただしいずれのカードも基本の還元率は0.5%と芳しくないので、メインカードとして利用するなら1%還元が得られる他のカードにすべきです。この2枚のカードは『対象店舗で使ってこそ意味がある』と考えて、あくまでサブカードとしての利用が賢い使い方かと思います。
対象店舗を比較
コンビニエンスストア
SMBCカードは、ファミリーマートを除く大手2社「セブンイレブン」「ローソン」に加え、中堅のミニストップやセイコーマート、ポプラが対象店です。
MUFJカードは大手2社「セブンイレブン」「ローソン」に絞り込んでいます。面白いのはコカ・コーラの自販機(Coke on Pay)が対象になっている点です。自販機の飲料で高還元が得られるのは便利かもしれません。
飲食店(ファストフード)
SMBCカードは、「マクドナルド」「モスバーガー」の2大バーガーチェーンが対象ですが、MUFJカードではハンバーガーチェーンはありません。
牛丼チェーンでは、SMBCカードでは「すき家」のゼンショーグループと「ガスト」「バーミヤン」などのすかいらーくグループ、MUFJカードでは「松屋」グループが対象店となっています。
回転寿司では、SMBCカードは「はま寿司」「かっぱ寿司」、MUFJカードでは「スシロー」「くら寿司」と完全に棲み分け状態です。
飲食の対象店では、SMBCカードの方が対象店が多いですが、MUFJカードは有名店が多いように感じます。
バーガーキング大好きな筆者としては、ぜひバーガーキングが対象店になって欲しいと切に願っていますが、今のところ、いずれのカードも対象店ではありません。同様に吉野家・餃子の王将・かつや等も対象店になって欲しいチェンめしです^^
スーパーマーケット
先行するSMBCカードの不満は、日常の食品や雑貨を購入するスーパーが対象店になっていないことで、いくらコンビニやファストフード店が高還元で利用できても、実際に得られるポイント数はあまり稼げません。
特に筆者はあまりコンビニを利用しない人ですし、外食もあまりしないので、月間にSMBCカードで得られる還元ポイントはあまり多くありません。月間の支払額で2,000~3,000円程度なので得られるポイントは240~360P程度です(筆者のポイントアップは12%)。
MUFJカードの方には、筆者の地元にもある「オーケーストア」をはじめ、「オオゼキ」や「ハナマサ」などの日常生活で利用する店舗が含まれるのが大きなメリットです。
コンビニや外食をしない一方、料理が好きなので、月間にオーケーなどのスーパーでの買い物は3~4万円ほどになりますので、4,000Pほどが還元される計算になります(14%で計算)。
スーパーが対象店かどうかによって、得られる還元ポイントは大きく異なってきます。
オーケーはそもそも「Everyday Low-Price」を掲げる地域の安売りスーパーですので、日ごろオーケーストアを利用する方にとって、最大15%還元のMUFJカードはかなり強力な武器になることは明らかです。かなり生活費の部分で節約できるのではないでしょうか。
ポイントアップ条件を比較
SMBCカードとMUFJカードのポイントアップ条件を比較してみましょう。
三井住友カードのポイントアップ条件
こちらはSMBCカードのポイントアップの仕組み図です。
- 通常ポイント
一番左側のグラフが何もない状態で対象店舗以外で利用した場合の様子で還元率は0.5%です。 - 対象店舗での利用で6.5%還元
SMBCカードを対象店舗で利用することで6.5%が上乗せになり、通常ポイントと合わせてトータル最大7%還元となります。 - 家族ポイント(最大5%)
自分を含めて5人分の家族登録(自分以外に4人まで)をすることで、1人当たり1%アップで合計最大12%還元となります。 - Vポイントアッププログラム
さらに「ポイントアッププログラム」によって8%まで上乗せが可能、最大20%の還元を受けられます。
アプリログイン | +1.0% |
Oliveアカウント(選べる特典) | +1.0% |
SBI証券 | +2.0% |
住友生命 | +2.0% |
外貨預金(三井住友銀行) | +2.0% |
住宅ローン(三井住友銀行) | +1.0% |
モビット利用 | +1.0% |
色々な条件がありますが、「アプリログイン」はだれでも簡単にクリアできる条件です。一方、証券や保険、外貨などは容易にクリアできる条件ではないので、SMBCカード利用者のすべてが最大20%の還元を得られるわけではありません。
また、ポイントアッププログラムすべてでは10%分ありますが、実際に還元されるのは最大20%までです。
アプリログインと、Oliveアカウント開設による「選べる特典」で、2%はだれでも得られそうです。
筆者のようにあまりコンビニやファストフードを利用しない人にとっては、活用しやすいカードではない印象です。還元率の数値だけ見ると最大20%と「お!」と思わせますが、筆者の場合は実際の恩恵はさほど得られている実感はありません^^
ポイントアッププログラムも一部を除いて、なかなかハードルが高い条件が並んでいて、最大20%を実現するのはそう簡単ではなさそうです。
※コンビニ&FFチェーンをよく利用する方にはおすすめです。
三菱UFJカードのポイントアップ条件
こちらはMUFJカードのポイントアップ条件です。
- 対象店で誰でも5.5%還元(基本ポイント0.5%含む)
対象店舗での利用で誰でも最低5.5%還元を得られます。 - 5つのポイントアップ条件(追加特典)
比較的ハードル低めの5種類のポイントアップ条件が用意されており、条件をクリアするごとに所定のポイント還元率が上乗せになってゆきます。また、5条件のうち4つをクリアすると別途1.5%アップするボーナスもあるので、これらを最大限実現すると9.5%の還元を得られます。
【MUFJカードの追加特典】
「楽ペイ」登録 または 「分割払い」「カードローン」1万円利用 | +5.0% |
携帯または電気料金の支払い | +0.5% |
スマホ決済利用 | +0.5% |
MUFJカードアプリログイン | +0.5% |
月々の利用額に応じた上乗せ | 月額3万円…+0.5% 月額5万円…+1.0% 月額10万円…+1.5% |
上記5項目のうち4項目クリア | 1.5% |
※「楽ペイ」とは
楽ペイは月々決まった金額を超えた分を翌月の支払いに繰り延べすることができる仕組みで、毎月決まった額の支払いになることで支払いの負担を軽減することができます。例えば3万円に設定しておけば、3万円を超えた分は翌月の支払い時に合算となります。
MUFJカードは比較的クリアが容易な条件ばかりで、クリアできなさそうなのは月間の利用金額ぐらいでしょう。月間利用額10万円が無理だとしても5万円利用なら9%上乗せ、3万円利用でも8.5%の上乗せが可能です。
SMBCカードが最大20%、MUFJカードが最大15%とSMBCカードの方が数値の上では上回っていますが、実際にポイントアップ条件のクリアはMUFJカードの方がかなり容易です。実際筆者もSMBCは12%が限界ですが、MUFJカードでは14.5%の還元率を得ています。サービスの利用状況に左右されますが、どちらかというとMUFJカードの方が還元率アップは容易と言えます。
しかもMUFJカードの対象店には「オーケー」などのスーパーが含まれるので日々の生活の中でポイントアップを効率よく組み込んでお得をゲットしやすいのも特徴です。スーパーでの買い物が15%OFFになるカードなんて、そうそうないので是非活用してお得をゲットしたいものです^^
【MUFJカードをオーケーストアで月間5万円使った場合のシミュレーション】
- 利用金額5万円
- 基本還元率5.5%×50,000円(全額)=2,750P還元
- 追加特典(最大29,000円)×9.5%=2,755P
となります。追加特典分を1か月に換算すると918Pとなるので、MUFJカードをオーケーストアで月間5万円使った場合の還元額は3,668P(還元率7.3%)となり、充分にお得に買い物ができることがわかります(ただし交換率は必ずしも5倍ではないのでここも要注意です)。
三井住友カード&三菱UFJカード紹介特典
SMBCカードとMUFJカードには各々紹介制度があり、既存会員の紹介で加入することで通常の加入特典に紹介特典が上乗せされます。
三井住友カードの紹介特典
加入するカードによって紹介特典は異なりますので、お好きなカードを選んで申しこんでください。
三菱UFJカードの紹介特典
三菱UFJカードを既存会員の紹介で作ると、通常特典のほかに10,000円相当のグローバルポイントが貰えます。
高還元カード比較まとめ
物価は上がっている割に、所得増の実感はまるでありませんよね。
少しでも「お得」を得られる方法を駆使して、少しでも生活を豊かにしたいものです。
今回は、10%超の高還元を謳う2種類のクレジットカードを比較・紹介してみました。
いずれも、三井住友、三菱UFJとメガバンク系列の安心できるカード会社であることが大前提ですが、対象店舗やポイントの付与方法については各カードで違いがありますので、うまく使い分けて「お得」をゲットしてください。
それでは今日はこの辺で。