今回は国勢調査を装って給付金や補助金の甘言で騙そうとするメールの注意喚起です。
世の中、詐欺に溢れている感じですが、今回は国勢調査を騙った詐欺メールが届いたので取り上げることにしました。
これまでも当ブログでは、詐欺メールの注意喚起記事を掲載していますが、今回は「国勢調査」を騙っているので、ちょっと危険度が高いのかな…と感じます。
そもそも国勢調査ってなに?何を調査するものなの?
そもそも国勢調査って何なんでしょう?
調査っていうけど、誰が何の目的で何を調べてその調査結果をどうするんでしょう。
そこを知らないと、詐欺何だかホンモノなんだか区別がつきませんし、騙されやすくなってしまうのかな…と思うので、まず、『国勢調査ってなに?』というところのおさらいから始めましょう。
「国勢調査」とは、日本に住むすべての人と世帯を対象に、5年ごとに実施される最も重要な統計調査で、人口や世帯の実態を把握し行政施策の基礎資料を得るために行われます。
で、実は2025年は国勢調査が実施される5年周期に当たる年です。西暦末尾が「0」の年に大規模な調査、同じく末尾「5」の年に簡易調査が行われます。基準日は実施年の10月1日午前零時現在です。

なるほど!だから今のタイミングで国勢調査を装った詐欺…というわけですね
国勢調査の目的
国勢調査は、国内の人や世帯の実態を把握して人口や社会構造に関する基礎データの収集が目的で実施されています。どこにどれだけの人や世帯があって、どんな生活をしているかの実態を把握くすることで、選挙区の区割り・地方交付税の算定・防災計画・福祉政策などに活用されます。
このように、国勢調査結果は行政施策や社会基盤整備に活かされることから、国民や世帯ごとの回答が未来の街づくりや福祉政策、防災対策に役立てられるというわけです。とっても重要な調査なのです。
ちなみに、第1回の国勢調査は1920年(大正9年)に実施されました。2025年(令和7年)は22回目の国政調査にあたります。
国勢調査は誰が実施するの?
国勢調査は、総務省統計局が主体となり、法律(統計法)に基づいて総務大臣が実施します。実際の調査は市区町村が協力して行います。つまり国をあげての一大調査というわけです。
- 総務省統計局
国勢調査の企画・立案・実施を担う中心的機関。調査票の作成、調査方法の決定、結果の集計・公表を行う。 - 総務大臣
統計法に基づいた国勢調査の実施責任者。国勢統計を作成するために調査を命じる立場。 - 国勢調査実施本部
調査の円滑な実施を目的に総務省内に設置される組織。総務大臣が本部長を務め、調査の広報や協力体制の確保を推進する。 - 市区町村
実際の調査現場を担当する。調査員を任命、各世帯への調査票配布・回収を行う。
国勢調査は何を調査するの?
国勢調査の査項目は大きく 「世帯員に関する事項」 と 「世帯に関する事項」です。
- 世帯員に関する事項
氏名、性別、出生年月
世帯主との続き柄、配偶関係
国籍、居住期間、5年前の住居所在地
就業状態、勤務先の事業内容、仕事の種類、従業上の地位
通勤地・通学地 - 世帯に関する事項
世帯の種類(単身世帯、核家族など)
世帯員の数
住居の種類(持ち家・借家など)
住宅の建て方(戸建て・集合住宅など)

いかがでしょう?国勢調査がどんなものかだいたいわかったでしょうか。基本的に、『人と世帯の実態を調査するための国が実施する調査』だということが分かれば、国勢調査を装ったメールがニセモノであることがわかるはずです。
国勢調査を装った詐欺メールとは


こちらが筆者が実際に受信した、国勢調査を装った詐欺メールです。
なぜこれが詐欺メールなのか…。筆者が詐欺メールだと断定した理由がいくつかあります。
①そもそも国勢調査の依頼はメールで来ない

国勢調査のメールが来たけれど、このメールは本物かしら?
なんて悩む必要はありません。
総務省統計局が実施する国勢調査は、原則として調査員が各世帯を訪問し調査書類を配布する形で実施されるため、メールで「国勢調査」と謳っている時点でニセモノです。
- 調査員が直接訪問して調査書類や案内を配布する
- 郵送での案内はあるが、メールや電話での依頼は基本的に行われない
- オンライン回答が可能な場合でも、アクセス情報は紙で配布される
→オンライン回答はこのURLのみ:https://www.e-kokusei.go.jp/
まして、SMSやSNS経由でなんてあり得ません。
少なくとも国勢調査の依頼が本物かどうかは、電子的に送られている時点で「即、破棄」すべきです。内容を読む必要さえありませんし、記載されているURLにアクセスしてもいけません。国勢調査云々のメールが届いたら中を見ずに捨てましょう。
②国勢調査は世帯調査であり「金銭」は調査項目ではない
前項で述べたように、国勢調査は「国内の人や世帯の実態を把握」するために実施されるので、お金がらみの調査などあり得ません。国勢調査と謳っているのに「給付金」だ「補助金」だと言っている時点でニセモノであると自ら告白しているようなものです。
そもそも、わが国で「給付金」や「補助金」が貰えるという情報を行政側から発信することはまずありません。知っていて申請した人だけが貰える…というのが我が国の「給付金」や「補助金」だと思っていた方が無難です(全部が全部ではないかも…ですが)。
③メールアドレスが日本国政府のドメインではない
そもそもメールで国勢調査の依頼は行われないので論外なのですが、どうしてもそのメールを信じたい、貰えるものなら給付金・補助金を貰いたいと思う方は、詐欺被害を回避する1つの方法として、送信元アドレスが日本国政府のドメインかどうかを確認しましょう。
日本国政府のドメインは『@stat.go.jp』です。国勢調査のネット回答ドメインは『e-kokusei.go.jp』です。
政府が「gmail.com」や「yahoo.co.jp」や聞いたこともないようなドメインでメールを送ってくることはありません。
加えて、以下のようなことにも注意すれば、国勢調査を装った詐欺を回避することができるはずです(というか、そもそもメールで国勢調査の依頼や、国勢調査でお金の話題はあり得ないんですが)。
- 一部でも一カ所でも不自然な日本語や誤字脱字がある
- 個人情報を入力させたり、何かを貰うために先にお金を要求する
- 「明日まで」「24時間以内」など対応期限が極端に短い
- 期限がある、期限に間に合わないと損をする等の焦らせる文言がある
詐欺メールをPCで見ると詐欺と分かりやすい

こちらは、前出の国勢調査を装った詐欺メールをPCで見た画面・文面です。桃色の枠は筆者が怪しいと感じた部分です(こんなに怪しい部分があるんです^^;)。
- 冒頭のタイトルに国勢調査とあるのに「給付金・補助金」の記載がある
繰り返しになりますが、国勢調査はお金関連の調査項目はありませんので、「○○金」「××金」といった文言は登場すること自体おかしいことです。 - メールアドレスが政府ドメインでない
政府機関は「××.com」等のドメインのメールアドレスを使いません。というか「ayaka」って誰?個人名とかあり得ません。
スマホだとメールアドレスやURLは表示されないのでわかりにくいです。 - 受給希望および支援意向についての回答を…
国民生活が苦しい昨今ですし、政府の2万円給付が取りやめになったりしている状況下なので、喉から手が出そうな方もいるかもですが、少なくとも国勢調査で給付金や補助金が必要かどうかを尋ねることはありません。 - 本メール受信後24時間以内に
詐欺の常とう手段なので、引っかからないように。ちゃんと調べて真偽を確認する暇を与えないための手法です。「給付金や補助金が貰える!でも時間がない!急いで手続きしなきゃ…」を狙っているので慎重に。 - 携帯番号による本人確認
個人情報は絶対に入力してはダメです。もし仮に本当に政府機関からのメールで合った場合には、絶対に個人情報を入力させるような手続きの進め方はしません。詐欺ならではのやり口です。
国勢調査を装った詐欺メールに要注意まとめ
今回は、筆者に届いた国勢調査を装った給付金・補助金詐欺のメールを紹介しました。
今年は国勢調査が実施される年だったこともあって、信ぴょう性を感じてしまう方もいるかもしれませんし、まだ未回答の方は「催促された」と思ってしまいがちですが、何度も言いますが、国勢調査の依頼をメールで行うことはないので、無視するようにしてください。
最近は詐欺メールも巧妙化していますので、充分お気を付けください。
それでは今日はこの辺で。
※当ブログでは過去にも詐欺関連の記事を掲載しています。よろしければ併せてご覧ください。




