LINEMOに新プランが登場しました。
その名も『ベストプラン』。
従来のミニプラン(3GB)とスマホプラン(20GB)をベースに各々に10GB・30GBのデータ容量料金を追加して、段階制の従量課金制に手直ししたものです。
これまでLINEMOは所定のデータ容量を使い切ると「追加購入」するしかありませんでした。Povo2.0(au)、楽天モバイルは容量の自由度があったので、その点でLINEMOは若干使い勝手の悪さがありましたが、これで他社プランに対抗できるのではないかと思います。
これまで筆者はLINEMOミニプランを推してきました。
地味な存在だけどSoftbankのキャリア品質の通信網を3GB=990円とリーズナブルに使えて、LINEはデータ容量を気にせず使えるし、余計な手数料が一切かからないなど利用上のメリットがいためです。容量が3GB/20GBしかないので多少の割切りは必要だけどいいプランだと思ってきました。
ただ最近は楽天モバイルがついにプラチナバンドの実用化へ動き出したことで、総合的なお得感や今後への期待が高まってきているのも事実です。
今回、LINEMOが明らかに楽天モバイルを意識した新プラン導入したことで、少なからず期待をもって内容を確認し、直接のライバル「楽天モバイル」と比較チェックしたいと思います。
LINEMOの新しい料金プラン「ベストプラン」とは
従来月間3GBのデータ容量を990円(税込)で利用できた「ミニプラン」は『ベストプラン』に進化します。容量は3GB以下:990円(税込)は従来通りで、10GB:2,090円が新設になります。
月間のデータ使用量が3GBまでは990円(税込)ですが、3GBを超えると自動的に10GBに移行する仕組みで、自分で3GB→10GBの切り替えなどは必要ありません。
では、2段階目がなぜ「10GBなのか」という点ですが、LINEMOは『MM総研が2024年1月に実施した「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態調査」において17,694人が(そう)回答』したことを論拠としているんだそうです。
確かに段階制プランにする場合に、ある月は3GB以下だった人が、別の月にはいきなり20GB超というのはあまりない事なのかな…という気はしますので、3GB・10GBの段階制は妥当なところなのかもしれません。
わたしの家内もそうですが、月末になると残り僅かのデータ容量をやり繰りして何とか乗り切っていますので、データ使用量が3GBで足りるか足りないか微妙…といったユーザーには『朗報』と言えそうです。
ベストプランをPovo2.0・楽天モバイルと料金比較
3GB | 10GB | 20GB | |
LINEMO | 990円 | 2,090円 | – |
Povo2.0 | 990円 | – | 2,700円 |
楽天モバイル | 1,078円 | – | 2,178円 |
今回のLINEMOの新料金リリースには、多分に「楽天モバイル」への対抗の意図があるのは明らかです。
Povoも楽天モバイルも3GBの上の容量は20GBに設定しており、LINEMOだけが10GBを設定した形になっていて、中容量派の方は「ちょうどいい」「お得」と感じるかもしれません。
ただ注意すべきは、楽天モバイル20GB料金との比較です。楽天モバイル20GBの料金は税込2,178円でLINEMOベストプラン10GB(2,090円)とわずか88円しか差がないという点です。
LINEMOで20GBを使おうと思えば、上位プランの「ベストプランV」を契約するしかなく、その場合の20GB料金は2,970円(税込)となります。
10GB以上使わないのであればわずか88円であっても割安なLINEMOがお得と言えますが、毎月ではないにせよ時々20GBを超える…という方は、LINEMOでは段階的に自動で20GB料金へシフトしてくれません。この点はワンプランでシフト可能な楽天モバイルが使い勝手がよいかもしれません。
LINEMOには30GB使えるベストプランVへリニューアル
従来月間20GBのデータ容量を2,728円(税込)で利用できた「スマホプラン」は『ベストプランV』に進化しましたが、NTTドコモのahamoのデータ容量が30GBに拡大したことを受け、11/1よりベストプランVも30GBまで利用できるようにリニューアルされました。
従来、20GBを超えて30GBにステップアップした際には、月額3,960円の料金がかかっていたところ、新たなベストプランVでは、最初から30GB利用で料金は月額2,970円となりました。
Povo2.0・楽天モバイル・ahamoと料金比較
20GB | 25GB | 30GB | 110GB | 無制限 | |
LINEMO | 2,970円 | 2,970円 | 2,970円 | – | – |
Povo2.0 | 2,164円 | 2,164円 | 2,200円 | – | – |
楽天モバイル | 2,178円 | – | – | – | 3,278円 |
ahamo | 2,970円 | 2,970円 | 2,970円 | 4,950円 | – |
上位プランは激戦状態です。
LINEMO新プランは20~30GBでは「ahamo」と同額ですが、Povo2.0及び楽天モバイルの方が割安です。今回の改編によってLINEMOの20GBは30GBの料金となるため、個別に20GBの料金を設定しているPovoや楽天モバイルよりも割高になってしまいました。
速度制限のルールも変更になった
新プランの登場に合わせて、データ容量を使い切った際の速度制限のルールが変更になっています。
従来は、ミニプランは300kbps、スマホプランは1Mbpsに制限されるというルールが定められていましたが、新プランでは「128kbps」に制限するルールが加わっています。
図のように、「ベストプラン」では10GBを超えた場合15GBまでは従来通り300kbpsに制限されますが、15GBを超えるともう一段制限が加わって128kbpsまで速度が低下します。
また「ベストプランV」では、30GBを超えて45GBまでは従来通り1Mbpsですが、45GBを超えると128kbpsまで速度制限がきつくなります。
ベストプランの注意事項に要注意!
LINEMO公式WEBの「ベストプラン・ベストプランV」の説明ページに記載された注意事項が要注意です。以下は注意事項をそのまま書き写したものです(赤文字に注意してご覧ください)。
▽▽以下引用▽▽▽
ベストプラン・ベストプランVの注意事項
- 契約者年齢が18歳以上であることが必要です。
- 法人は対象外です。
- 3G専用端末、VoLTEに対応していない端末、SIMロック解除に対応していない端末など一部対象外端末あり。
- MMS(キャリアメール)は利用できません。
- SMSや海外でのご利用分などは別途料金が発生します。
- 1カ月あたりのデータ量が、ベストプランは10GBを超えた場合、月末まで通信速度を送受信時最大300kbps、15GBを超えた場合(「追加データ」容量を除く)、月末まで通信速度を送受信時最大128kbpsに制限します。また、ベストプランは30GBを超えた場合、月末まで通信速度を送受信時最大1Mbps、45GBを超えた場合(「追加データ」容量を除く)、月末まで通信速度を送受信時最大128kbpsに制限します。
- データ量上限を超過した場合、追加データ(550円/1GB)を購入することで、通常速度でご利用いただけます。
- ご加入当月に解約された場合、契約解除料990円のお支払いが必要です。ただし、「8日間キャンセル」等に基づき解約された場合を除きます。
- 月途中に解約の場合は、日割り計算は行いません。
- ネットワークサービスの安定的な提供のため、時間帯により、動画、ゲーム等のサービス、AR(拡張現実)等の機能を用いたサービス、その他トラフィックの混雑を生じさせるおそれのあるサービスのご利用にあたり通信速度を制御します。
- 通信が混雑、または通信の混雑が生じる可能性がある場合、ネットワーク全体の品質を確保するため、通信の種類及び内容にかかわらず、通信速度を制御する場合があります。
- 一定期間内に著しく大量の通信を継続的に行い、機械的な通信と当社が判断した場合は、当該通信を行うお客さまに対して通信速度を制限することがあります。
- 余ったデータ量は翌月以降に繰り越せません。
△△引用ここまで△△△
なんと、新しい料金プランから「契約解除料」が復活というか新設されます。加入当月の解約(早期解約)への対抗措置ですが、何らかの事由で当月解約を検討する場合は当該項目を思い出してください。
直接のライバル「楽天モバイル」とどちらがいい?
LINEMO新プランの直接のライバルはやはり「楽天モバイル」になります。
今回、ahamoの容量増強によってベストプランVのプラン内容を変更していますが、直接的なライバルはやはり楽天モバイルだと思います。
LINEMOが新プランで2段階の従量課金制に移行したことで、3段階の従量課金制の楽天モバイルとよく似たスタイルになったことは否めませんし、LINEMO側に楽天モバイルを意識する部分がなかったと言えばウソになるでしょう。
ではこのよく似た両者のどちらを選ぶか…はかなり迷うところです。比較のポイントは以下のような項目になりそうです。
- プラン利用や通信上のメリットはあるか
- 通信の品質や通信可能エリアなど
- 料金のコストパフォーマンス、フレキシビリティ(柔軟性)
- データ容量を使い切った際の使い勝手
- 通話料金のメリットはあるか
- 家族や複数回線利用のメリットはあるか
- 通信や料金以外のメリットはあるか
実は筆者は2024年2月に楽天モバイルと4回目の契約をして以降、2~6月はPovo+楽天、7月以降はLINEMO+楽天の2回線契約しています。以下では、筆者自身のLINEMO+楽天モバイルを実際に使用した上での体験も含めてお話しします。
※ちなみに、6月でPovo→LINEMOに乗換えた理由は、auPay方式のギガ活による実質無料運用が不可能になったためです。
通信の品質や通信可能エリアなど
この点についてはエリアがほぼ完成しているSoftbankと、ようやくプラチナバンドの試験を行って実際のサービスを展開し始めた(2024/06から)ばかりの楽天モバイルでは、正直比べものになりません。
実際に両方の回線をデュアルSIMで1つの端末で運用していると、楽天モバイルが圏外だったり、アンテナの数が少ない場面が多いことが実体験としてわかります。
楽天モバイルは積極的にau(800MHz帯)との積極ローミングで数値上では人口カバー率99.9%を実現していますが、利用者として正直に言えば、数値ほど「どこでも快適な通信」が可能とはなっていないのも事実です。
市街地・郊外など都市部の屋外ではほとんど差はありませんが、屋内や地下街、地下道、地下鉄などではどうしても、LINEMO頼みになってしまう現実があります。
楽天モバイルの今後のプラチナバンドの展開しだいですが、現時点では、どんな場所でも安定した通信が必須…という場合にはLINEMOがおすすめでしょう。
プラン利用や通信上のメリットはあるか
LINEMOベストプランを利用する上でのメリットは何でしょうか。
- 10GBまでならキャリア系サービスで最安(2,090円)
- 3GB/10GB/30GBと段階制料金を提供
- LINE利用時の通信が実質無料(高速データ容量を消費しない)
では楽天モバイルの通信上のメリットは何でしょうか
- 3GB/20GB/無制限と段階制料金を提供
- 2,178円/20GB、3,278円/無制限はキャリア系サービスで最安
- どんなコンテンツでも上限3,278円で使い放題
LINEMOは「10GB以内最安(キャリア系)」を謳っていますが、実は、楽天モバイル20GB時との差額はわずか88円に過ぎません。
これをもってユーザーが実感として「最安」だと感じるかどうか微妙かもしれません。88円でも安いのは事実なので10GB最安と受け止めるのか、たった88円差なら20GB使える方がいい…と受け取るのか、ユーザーはどう判断するでしょうか。
また、3/10/30GB容量に対応といいますが、前述のとおり料金的に見れば10GBは楽天では20GBと「≒」ですし、30GBの料金は楽天の「無制限」を上回ります。しかもahamo対応の改編で20GBは割高な設定になってしまいました。
ただし、「LINE利用時のデータ通信が実質無料」に関しては、LINEを多用する方にはなかなかに大きなメリットですし、他サービスにはないLINEMOのアイデンティティだと言えます。
もちろん楽天モバイルでもLINEは使えますが高速データ容量を消費するので、LINEユーザーが3GB以内に抑えて料金を抑制したい場合などに、LINEMOが絶対的に有利であることは確かです。
料金のコストパフォーマンス、フレキシビリティ(柔軟性)
料金に関して3GB/10GB、30GBの2プラン制になったLINEMOは、3GB・20GBの固定だったところから見れば柔軟になったと言えます。
ただ、料金と使用可能なデータ容量のコスパが高いのは楽天モバイルです。3GBこそほぼ同額(税込で88円の差)ですが、10GBで2,090円のLINEMOに対して楽天モバイルは20GBで2,178円(ここでも88円差)と高コスパぶりを発揮しています。
10GBを超えて20GB以上を利用しようとすれば、LINEMOは「ベストプランV」へのプラン変更が必要なのに対して、楽天モバイルはワンプランのまま「無制限」で使用可能で、最大料金も3,278円とLINEMOの30GB(3,960円)を大きく下回ります。
料金面でのコストパフォーマンスや柔軟性は楽天モバイルに分がありそうです。
データ容量を使い切った際の使い勝手
格安SIMを使う際に、所定のデータ容量を使い切った際の使い勝手の良し悪しは重要なポイントです。
今回の新プラン導入に合わせて、LINEMOは速度制限ルールを改変しました。従来の低速300kbps/1Mbpsの制限に加えて、もう1段階制限を強めた128kbpsを設定しました。
これは従来のLINEMOのメリット=低速でも意外に実用性がある=を喪失することになりますが、300kbps/1Mbpsで最大5GBは利用できるので、実際にはあまり大きなデメリットは生じないかもしれません。
しかし、楽天モバイルはもともとデータ容量の上限のない「無制限」利用が可能なので、常に最高速で利用できる点で大きなアドバンテージを持っています。しかも無制限時の料金はLINEMO30GB時を下回ります。
速度制限に関しても楽天モバイルのメリットが大きいと言えます。
通話料金のメリットはあるか
LINEMOの通話料金は「20円/30秒」と通常料金のままで、MVNOなどが提供している「料金半額通話」サービス(※)の提供はありませんが、「5分かけ放題」(月額550円)を契約から7か月目まで無料で利用できる特典を付与しています。国内通話が無料となる通話定額サービスの割引特典を付与しています(契約から7か月目まで)。
楽天モバイルは、通話アプリ「Rakuten Link」経由で無料通話がかけ放題です。一部にかけられない局番もありますが、通常の電話番号であれば携帯・固定電話いずれも無料通話が可能です。通話時間や回数に制限はありません。ただしRakuten Linkは通信回線を使用したサービスのため、通話品質が若干悪く雑音が入るとの評判もあります。
実際に筆者が利用する上ではほとんど雑音は感じられません。楽天モバイルの1~2回目の契約時より明らかに音質が良くなっていると感じます。無料通話なので問い合わせ時に何分待たされても料金が気にならないことも使い勝手の良さに繋がっていると感じます。
一方で筆者は、まだLINEMOの「5分かけ放題」無料期間ですが、1度も使ったことがありません。5分と制限されているのも気になって落ち着いて話せないですし、かけ放題が終了以降の電話料金が20円/30秒と割高なので、楽天LINKばかり使用しています。
ただらくてんLINKを使用する場合には、スマホの「デフォルトの通話」を楽天モバイルに設定しておく必要があるので、その点は要注意です。
通話に関して言えば「無料通話かけ放題」は大きな魅力です。通常通話でしかかけられない通話先は、結局どの通話サービスを使ってもかけられず、20円/30秒の料金が発生するので、通話可能先に限って考えれば、無料通話かけ放題の楽天モバイルに軍配が上がりそうです。
※「Rakuten Link」通話についての詳細はこちらの記事をご参照ください。
家族や複数回線で使うメリットはあるか
LINEMOはもともと個人での利用を想定した料金プランです。ファミリー向けには「Softbank」「Y!mobile」の選択肢を持つソフトバンクではLINEMOにはLINEMOの立ち位置があるわけです。
とは言え、それは提供する側の都合であって料金を抑えたいユーザーがLINEMOをファミリーで使ってはいけないわけではありません。しかし、LINEMOには家族利用や複数回線契約による割引や特典などメリットはありません。
一方の楽天モバイルは「家族割引」を設定しています。元々割安料金の楽天モバイルなので、大きな額を割り引くことは難しいですが、一人当たり税込み110円を割り引きます。
さらに家族の中に22歳以下の若者がいれば、一人当たり110ポイントを還元する「最強青春プログラムU22」も提供しています。
家族や複数回線での利用では、楽天モバイルに「お得」な仕組みが備わっています。
通信や料金以外のメリットはあるか
カギはLINEMOユーザーに「Yahoo!」関連サービスへの優待があるかどうか…ですが、残念ながら現時点ではLINEMOと契約したからといって、Yahoo!ショッピングで割安になったり、ポイント還元が優遇される等のメリットはありません。
SoftbankやY!mobileほど、Yahoo!との連携は密ではない印象です。
また、ミニプラン/スマホプランでは無料で利用できた「LINEスタンプ プレミアム for LINEMO」は、ベストプラン/ベストプランVでは提供されなくなり、「LINEギガフリー」以外ではLINEとの連携も希薄です。
一方の楽天モバイルは、楽天グループ全体として「楽天モバイル契約者」を優遇する動きが活発です。
特に楽天市場では、楽天モバイルユーザーであるだけで「+4倍」のSPUアップが得られます。楽天会員のベースポイント「+1倍」と合わせて、楽天モバイルユーザーであるだけで「+5倍」の優遇を受けられます。
支払いに楽天カードを使用すれば、さらに「+2倍」が上乗せされるので、楽天モバイル利用者のほぼ全員が「+7倍」の恩恵を受けられることになります。
また、楽天モバイルの通話アプリ「Rakuten Link」を通じて、図のようなクーポンが配布される場合もあるので、楽天モバイルユーザーの楽天市場でのメリットはかなり大きいと言えます。
通話や通信以外の部分でのメリットでは楽天モバイルの圧勝と言えます。まさにグループ一丸となって楽天モバイルユーザーを優遇しようという意識を感じます。
LINEMOベストプランがおすすめな人
LINEMOの新プラン「ベストプラン」はどんな人におすすめなんでしょうか。
【おすすめポイント】
- Softbank通信網を利用できる(現時点では楽天モバイルより絶対的に有利)
- LINE利用時の通信料が実質無料(ヘビーユーザーほどお得)
- 絶対に10GBを超えない場合は88円といえど楽天モバイルより安い
【残念ポイント】
- 時々10GBを超えることがある場合にはお得にならない
- ベストプランVは実質値上げ(5分かけ放題付き)になる
- 上限なしにせずに30GB上限で楽天モバイルより割高
屋外利用が多く容量が10GBを超える人はベストプランおすすめ
現時点で『通信網の質』で比べると、楽天モバイルは「完全にSoftbankに並んだ」とは言い切れず、まだ大きなビル内や地下街・地下鉄などで「繋がらない」「電波が弱い」といった声が聞かれます。
通信がどこでも繋がる、しっかりアンテナが立つ…という観点を重視した場合、3GB/10GBの2段階制になった「LINEMOベストプラン」は良い選択となるはずです。
一方、データ容量の区切りとして見た場合、「10GB」は確かに「ちょうどいい」感があります。
多くのキャリア系の格安プランが20GBで区切っていますが、3GB→20GBってちょっと広すぎない?と感じていたので、まさに「ちょうどよい」区切りだと思います。ただコスパを重視した場合には必ずしもベストプランがベストとは言い切れないものがあります。
前述のとおり、楽天モバイルは20GBで2,178円の設定なので『10GB少ないのに差額は88円しかない』というのはイメージとして「損した」ような気になる人がいるかもしれません。さらに家族利用する場合なら家族割引分で88円差は埋まってしまうのも小さからぬ違いです。
これらのことから、LINEMOベストプランがおすすめの人は以下のような人と定義できそうです。
(1)屋内・地下利用が多い人
大きなビルの窓際でない場所で仕事をしているとか、オフィスが地下にあるとか、営業周りで地下鉄をよく利用するなどの場合には、通信が繋がりやすいSoftbank通信網のLINMOがおすすめです。
(2)データ使用量が10GBを超えることがない人
LINEMOの場合は、10GBを超えるとアッパープランの「ベストプランV」を契約せざるを得ませんが、「ベストプランV」は現行スマホプランに比べて明らかに値上げとなっているので、楽天モバイルで繋がるなら楽天を使いたいところです。10GBを超えることはないのであればLINEMOベストプランがおすすめになります。
逆を言えば、屋外利用が多い人や、同じ営業職でも車移動が多い人などは楽天モバイルのコスパを活かす選択肢もありそうです。また数か月に1回程度でも10GBを超えたり、家族利用が可能な方は楽天モバイルを検討してみてもよいかもしれません。
実際に使い比べた感想(筆者の場合)
現在、実際に「LINEMO」と「楽天モバイル」を利用している筆者の印象や感想を参考までに記しておきます。
楽天モバイルを使用した感想
エリア(通信可能な場所)はいまいちLINEMOに追いついていないと感じます。
実際にこんな場所もあって、圏外とまではならないまでもアンテナが1~2本少ないなんてことはよくあります。もちろん逆にLINEMOのアンテナが少ない場所もありますが、わたしの行動範囲(神奈川・東京・ときどき伊豆・まれに関西)ではLINEMOが圏外になったことはありません。
そういう場面ではどうしてもLINEMOに切り替えなければならず、楽天モバイル1本で…というのは正直、まだ難しいのかなと感じます。
また楽天市場での「SPU4倍」をメリットとして紹介していますが、少額では送料がかかってしまう楽天市場をメインにして買い物ができず、プライム会員で無料配送が可能なAmazonでの買い物がどうしても中心になるため、正直、このメリットも生かし切れていないと感じます。
ただ1点、LINEMOにはない楽天モバイルのメリットとして「通話」があります。楽天LINKによる通話は意外に雑音が少なく普通に会話できます。筆者は「G-Call」も使っていますが、楽天LINKを使うようになって以降はほとんど通話料金が発生しなくなりました。問い合わせ先が「0570」が通話先だと有料になってしまうので全面的にというわけにはゆきませんが「無料通話」の恩恵は確かに感じます。
LINEMOを使用した感想
特に何も感じません。それは使用上でまったく問題がないと言うことであり、悪い意味ではありません。使いたい時にしっかりアンテナが立っていて、昼時含めて時間帯に関係なくストレスのない通信ができて…という意味で、当たり前に使えてしまうので何も感じないというわけです。
楽天モバイルのように「SPUアップ」とか「無料通話」だとかといった目立ったメリットはLINEMOにはないのですが、基本の「通信」がしっかりしているので使い勝手はすこぶる良好です。
「Softbank通信網はダメなんだよね」という状況でなければ満足度の高い通信プランとなると思います。
楽天モバイルだけを使用していた時期もあるのですが、その時には「もう楽天モバイルだけでよくね?」などと思っていたのですが、LINEMOを追加して併用して見るとやはりLINEMO(つまりSoftbank通信網)には『一日の長』があるかな…と実感しています。
容量の減り方が違う気がする
こちらの2枚の画像は、本日(2024/08/28)現在の楽天モバイルとLINEMOのデータ使用量です。
自分的にはどちらかをメインに多めに使う…といった意識はありませんが、電波状況で楽天からLINEMOに切り替えることがあるので、LINEMOの方が多く消費している感覚がありますが実際には逆です。
「楽天、容量食い過ぎじゃない?」と感じていますが、厳密に計測しているわけではないのであくまで筆者の感覚によるもので参考程度です。
楽天モバイル3GB+LINEMO3GBが正解
実は筆者は、LINEMO+楽天モバイルの2回線利用が気に入っていて、実は「ベストチョイス」なのではないかと思っています。
楽天モバイルは3GBを超えると+1,100円で2,178円の料金に、LINEMOも3GBを超えると+1,100円で2,090円の料金になります。
現在筆者は楽天モバイルもLINEMOも3GB以内で使うつもりなので、両方で容量6GBに対して料金は2,068円です。容量は6GBになりますが料金としては楽天モバイル(20GB)とLINEMO(10GB)の3GB超よりわずかに割安です。
楽天モバイルの「SPU」や「無料通話」、LINEMOの「Softbank通信網」「低速300kbpsを無料で使える」「LINE利用無料通信」といった各々のメリットを両方得ながら料金は片方を使うより割安って、実はいちばんお得でメリットの多いプランニングなのでは?と思っています。
LINEMOベストプランvs楽天モバイル最強プラン まとめ
LINEMOベストプランのおすすめポイントをまとめると次のようになります。
通信容量に自由度のなかったLINEMOが段階制の従量課金になったのは進化だと思います。3GBで足りない月は自動的に10GBまで使える、逆に3GB以下で済んだ月は990円の支払いで済ませられる…という自由度を得たことになります。
容量の自由度がないことがLINEMOの弱点の1つでしたので、自由度が増した点は評価できると思います。
また3GBでは足りないが絶対に10GBを超えることはない…という場合には、わずか88円と言えど割安になるのでLINEMOベストプランがおすすめです。
「3GBを超えてもいきなり20GB料金に跳ね上がらず、キャリア最安の10GB料金で済む」という点を評価する向きもあるようですが、跳ね上がるといっても2,178円でLINEMOとはわずか88円差ですからね。そこまで「10GBで済む」と胸張れるような差ではないように思います。
また現時点では「通信可能エリア」の点で、ビル内・地下外・地下鉄などでまだ万全とは言えない楽天モバイルにくらべてSoftbank通信網の方が安心であることも事実で大きなメリットと言えます。
ただ、おそらくLINEMO自身も意識したであろう「楽天モバイル」との比較では、通信エリアや通信品質で現時点では勝てていない楽天モバイルが、それ以外の項目では勝っていることもまた事実です。
家族や複数回線での割引や、3GB/20GB/無制限とシームレスにデータ量(料金)が以降できること、わずか88円差で20GB使えること、容量を上限なしの無制限で利用できること、楽天市場での優遇などでは楽天モバイルに魅力を感じます。
難しい選択ですが、楽天モバイルがプラチナバンドでエリアの穴をどれだけ埋められるのか…を確認して「これならOK」と思えるまではLINEMOベストプランがファーストチョイスかなと思います。楽天モバイルの数々のメリットに魅力を感じるなら楽天モバイルの選択も充分「あり」かと思います。
筆者的に考えると、両社のメリットを二重取りして料金もまあまあ割安な楽天モバイル+LINEMO各3GB利用で月額2,068円が現実的な選択かなあ…と思っています。
それは今日はこの辺で。