楽天モバイル「最強プラン」は何が変わった?どこが最強なのか分かりやすく解説!本当に最強か?

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今回は、楽天モバイルが発表した「最強プラン」の内容や気になるポイントなどをチェックします。

KAZ
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かつては「1GB=0円」の無料プランで人気を博した楽天モバイルでしたが、サービス開始当初から続く「繋がらない」「圏外」といった声は止むことはなく、すっかり「安かろう悪かろう」のイメージが定着してしまった感があります。

今回発表された「最強プラン」によって、繋がらないイメージを払拭し人気を回復、再び人気回線に返り咲くことはできるのでしょうか。筆者自身も興味津々でその内容や気になるポイントなどをチェックしてみたいと思います。

楽天モバイルは、やはり「繋がりにくい」イメージが先行してしまう印象です。

筆者が楽天モバイルを解約してからすでに半年以上経っていますので、現在の通信状況を体感的に把握できているわけではないのですが、良い評判もある一方では、相変わらず「繋がらない」評価は止んでいません。

そんな楽天モバイルが先ごろ発表したのが「最強プラン」です。

「最強プラン」とはどのような内容でなのでしょうか。本当に「最強」を名乗れるようなプランになっているのかチェックしてみたいと思います。

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楽天モバイルが繋がらないと言われる理由

「おさらい」的になってしまいますが、そもそも、楽天モバイルが「繋がらない」「繋がりにくい」と言われるのには理由があります。

それは楽天モバイルに割り当てられた「通信帯域」の問題です。

楽天モバイル以外の先行3キャリアは「プラチナバンド」という表現をよく使います。

スマホや携帯電話の通信に使用する電波には周波数が複数ありますが、一般的に周波数の低い電波は通信速度は遅いが繋がりやすい傾向があり、周波数の高い電波は高速が出しやすい反面繋がりにくい傾向があります。

へたくそですが、だいたいこんなイメージです

これは、電波は周波数が高くなれななるほど「直進性」が強くなるためで、周波数の低い電波は大きな周期の波で飛んでゆくため建物や障害物の陰や裏側に回り込みやすい性質を持っています。一方周波数が高い電波は小刻みな波で直線的に飛んでゆくので障害物の陰などに届きにくい性質です。

この周波数の低い、つまり建物などの陰に回り込みやすくエリアを広くカバーできる周波数帯の電波を「プラチナバンド」と称しているわけです。

楽天モバイルも含めてドコモやau、Softbankの通信キャリアは、通信速度の速さも向上させなければなりませんが、どこで使っても実用的な通信が可能であるようにエリアも拡大しなければなりません。その相反する2つの命題をクリアするため、通信の高速化には周波数の高い電波を、エリアの拡大には周波数の低い電波を重視しているという訳です。

ところが後発の楽天モバイルに対しては、すでに低い周波数の帯域(電波の幅)に空きがなかったため、割り当てられたのは高い周波数の電波だけなのです。

具体的に周波数の割り当てを見てみると、NTTドコモには「700MHz」「800MHz」、auには「700MHz」「800MHz」、Softbankには「700MHz」「900MHz」が割り当てられていますが、楽天モバイルには1GHz未満の周波数帯の電波は割り当てられていません。

700MHz800MHz900MHz
ドコモ10MHz幅×215MHz幅×2
au10MHz幅×215MHz幅×2
SB10MHz幅×215MHz幅×2
楽天

つまり、楽天モバイルは広いエリアをカバーしやすい帯域の電波を割り当てて貰えなかったので、いつまでたってもエリアが拡大せず、エリア内でも電波の届かない「穴」が減りにくい傾向があるわけす。

先ほどの図で、建物の向こう側に電波を送り込むには建物の陰の向こう側にもアンテナを設置しないとカバーできないので、同じ基地局の数を設置したとしてもカバーしきれない「穴」が残ってしまう訳です。

これが楽天モバイルの「繋がりにくい」理由です。特に都市部でエリア内なのに圏外となる場所=「穴」が多い原因となっています。

朗報?楽天モバイルにもプラチナバンド割り当て

楽天モバイルは、そうしたプラチナバンドが他3社のみに割り当てられているのは不公平だとして、各社から5MHz幅ずつ割譲して欲しいと要望、割譲に関わる工事費用はキャリア3社が負担すべき…としていました。

しかし、先行3キャリアは、割譲するにしても簡単ではなく10年はかかる、工事費用は楽天側が負担すべきと反論、平行線をたどってきましたが、そんな時にNTTドコモが1つの低減を行います。

まるで眠っていた金脈を掘り当てたような印象ですが、『700MHz帯には携帯電話用と、ラジオマイクや高度道路交通システム(ITS)用途の間に「3MHz幅×2」の空きがある』と使われていない帯域を割り当てるのはどうか…と提言したのです。

ドコモの試算によるとこの帯域で約1100万契約を収容できるとのことで、楽天はこれを受け入れる姿勢を示しています。

この新たに発掘された700MHz帯の割り当てについて総務大臣は「2023年秋ごろを目指す」としており、各社とも割り当てを希望するものと予想できますが、プラチナバンドを持たない楽天モバイルが有利とされています。

プラチナバンドが割り当てられれば、少なくとも従来のような「繋がらない」問題は好転を見せるはずで、この先の楽天モバイルの通信にプラスに作用することは間違いないと思われます。

KAZ
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別件ですが、楽天は先ごろ「公募融資による3320億円規模の資金調達を実施」と発表しました。これは当然プラチナバンド用の整備費用も睨んだものと推測できますが、あまりに大きくなった楽天の負債(2兆円近く)を勘案すると、割り当てが実現したとしてもホイホイとプラチナバンドを全国に張り巡らせられるか…については若干の不安を感じます。

楽天モバイル最強プランとは

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料金や容量の規定に変更はありません。新たな料金プランの注目点は2つ!

人口カバー率99.9%」と「パートナーエリアもデータ無制限」です。

最強プラン注目点①~人口カバー率99.9%

これまで楽天モバイルの人口カバー率は98.4%(2023年4月時点)でしたが、一気に1.5%を積み上げた原因は、au回線とのローミングに秘密があります。

楽天モバイルはこれまでも、自社通信網が届かないエリアはau回線にローミングすることで通信可能エリアを補完してきましたが、回線を借りればそれだけコストがかかる点と言うことで、なるべく早い段階で可能なエリアからローミングを終了し自社通信網に切替えてきました。

しかし、前項のプラチナバンドの問題などもあって、auローミング時代には通信可能だったエリアで圏外になってしまったり、地下街や建物の奥で繋がりにくくなるなどの弊害が生じていました。

今回の大きな変更点は、au回線ローミングを積極的に利用するように方針転換したことです。

つまり、自社通信網での人口カバー率99%を目指していた従来の方針から転換、自社基地局設置を控えることでコストを削減し、一方でau回線を借りることでプラチナバンドを持つau回線(人口カバー率99.9%)の恩恵を受けよう…ということです。

全国的に楽天エリアでカバーできない部分をau通信網が広くカバーすることで人口カバー率99.9%を実現しつつ、ローミングは都市部でも実施されるとのことなので、単なるカバー率の数値だけでなく、地下や建物奥などでの繋がりにくさも解消傾向に向かい、実用的な通信可能エリアの拡大に繋がりそうです。

最強プラン注目点②~パートナエリアでもデータ無制限

前項の「au回線ローミングによる人口カバー率99.9%」も大きな変更点ですが、実質的にはこちら②の方が実用面では大きな影響がある変更点でしょう。

つまり、従来はパートナーエリアでのデータ通信は5GBまでの制限があったところ、6/1以降は、パートナーエリアも含めて月額2,980円(税込3,278円)の料金内でデータ無制限が利用できることになり、実質的に人口カバー率99.9%のどこにいてもデータ使い放題ということになります。

※これに伴って、パートナー回線の「データ(追加)購入」の仕組みがなくなります。

従来は「楽天モバイルは月額3,278円でデータ通信使い放題」と喧伝していても、「ただし」が付きました。「ただしパートナーエリアは月額基本料金内で利用できるのは5GBまで。それ以上はデータ容量の購入が必要」と。その但し書きが今後は不要になるわけです。

KAZ
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余談ですが、新たなローミング契約はauにとってもプラスだったのではないか…と思います。auは4GLTEで全国99.9%をカバーしていますが今後は順次「5G」に移行するはずです。とはいえ、全国一斉にポンと5Gに切り替えられるわけではないので、状況によっては4G回線が余る可能性もあり、それを楽天が使ってくれる(料金を得られる)のはauにとっても悪くない話し…だったのではないでしょうか。なので、少し料金を安くしているんじゃないかと思います。余るぐらいなら安くても賃貸料が得られるau、割安な料金でカバー率を99.9%にでき基地局整備を少しペースダウンできる楽天、双方にとってWINWINの取り決めだったのかな…と思います。

ちなみに、楽天モバイルの新プラン「最強プラン」は、2023年6月1日から既存ユーザーも含めて一斉に適用となります(もちろん新規契約・MNP転入も)。

料金体系や容量の区切り、RakutenLinkは従来通り

画像出典:network.mobile.rakuten.co.jp
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プラン料金や容量の区切りは従来通りで、3GBまで=1,078円、20GBまで=2,178円、20GB超=3,278円です。

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RakutenLinkも従来通りに使えます

楽天ポイントの付与ルールも変更なし

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楽天ポイントの優遇措置も継続します。

楽天モバイルユーザーは、楽天市場での買い物時のポイント付与が2倍(2%アップ)になる「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」の対象で、これは6/1以降もそのまま引き継がれます。

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これまで『ポイント2倍は魅力があるけど、通信が繋がらない部分が多くて踏み切れない』と楽天モバイルの契約を逡巡していた方、あるいは、過去に使ったことはあるが解約した方など、契約を検討できる下地が整ったのかな…という気がします。

とはいえ…

最強プランは最高プランではないかもしれない

最強プランは、楽天モバイル中、過去最強…という意味に捉えた方がいいかもしれません。

他社と比べても最強…かどうかは「どうかな」という気がします。

というのも、新たに結んだauとのローミング契約で人口カバー率99.9%になるのは本当だとしても、では「Povo2.0」と比べてどちらが快適に使えるかと考えると、おそらく「Povo2.0」に軍配が上がるのではないかと…。当然、au本体・UQmobileも同様でしょう。

というのも、auとローミングするのは、従来のローミング契約と同じ「800MHz」帯に限られるからです。今までもローミングで借りる契約をしているのは「800MHz」帯のみで、それは新たなローミング契約でも同じです。

それに引き換え、au本体・UQmobile・Povo2.0は「800MHz」帯だけではく、au通信網をフルに使用することができるので、「800MHz」帯だけにローミングする楽天モバイルより遥かに有利です。

すでに述べているように、周波数の低い電波は回り込みやすいのでエリアの「穴」を潰すことにかけてはかなり優秀で、だからこその人口カバー率99.9%実現なんだと思うのですが、800MHz帯は決して通信が速いという帯域ではないので、ローミングで得た『通信可能エリア』の中での通信でWEBも動画もサクサク快適というわけにはゆかないと思うんです。

もちろん、メール送受信やSNS、ブログやWEBの閲覧などごく一般的なコンテンツを快適に利用する程度の速度が十分に出るはずですが、動画やゲームなどの大容量コンテンツは得意とは言えないんじゃないか…と思うのです。

楽天モバイルが月額3,278円でデータ通信使い放題だ…ということになれば、誰だって高画質で動画は見るわ、超グラフィカルなゲームだってばんばんプレイすると思います。だからそこの定額使い放題なんですから。

でも、その場所がもしauローミングエリアだと、サクサクとはいかないんじゃないかと思うんです。その辺りは『ジレンマ』かなあ…と言う気がします。

人によって(つまり使い方によって)は、「理想(使い放題ばんばん)」と「現実(否サクサク)」の乖離を感じてしまうかもなあ…とその辺りがちょっと心配です。

KAZ
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この内容で最大3,278円使い放題は絶対に安いと思います。エリアの心配も、データ量の上限も撤廃されました。日常的な利用で特に速度が問題になるような場面もほぼないはずです。ただ極端に大きなデータ量を一気に動かすような使い方は得意とは言えないので、そういう使い方を想定している場合はちょっと心配です。

MNPワンストップサービスも追い風

この5月末からMNPの制度が変わります。

これまで転出元で「MNP予約番号」を発行してもらい、それを転入先に転出する形でMNPが行われていましたが、「ワンストップサービス」が開始になると、転出先で申し込むだけでMNPが可能になります(転出元は転入先の手続きが完了=契約完了で自動的に解約になります)。

このワンストップサービスをいち早く活用するのが楽天モバイル。

楽天モバイルが6月末を目途に開始するのが『ワンクリック契約』、これは楽天会員に限っては「申し込み」をワンクリックするだけで契約が完了するもので、eSIMならその場で開通できるようになる模様です。

当初はデータ通信のみですが、少し遅れて音声通話契約についてもワンクリック契約が可能になるとのことで、これはすでに本人確認済みの楽天会員データを流用するようです。

乗り換えの手間が大幅に削減できることで、「それならやってみようか」と腰を上げやすくなるのは必至なので、楽天モバイルの人気復活のさらなる加速になりそうです。

詳細は分かり次第お伝えする予定です。

楽天モバイル最強プランはおすすめなのか

では、新しい楽天モバイルの料金プラン「最強プラン」はお勧めなのか、お勧めじゃないのか…ですが、これは十分に「おすすめ」と言ってよい条件が整ったと考えます。

ポイントは3つ。

  • 通信可能エリアの拡大(人口カバー率99.9%)
  • 全エリアで定額使い放題(au回線エリアもデータ上限撤廃)
  • データ使い放題3,278円/月、データ20GB2,178円/月はダントツに割安

料金体系や容量区切りは踏襲、大きなメリットだった楽天ポイント2倍も継続で、従来からのメリットは失わずに純然と、メリットだけが増えるカタチとなる今回のプラン変更は、「安かろう悪かろう」を払拭して、契約を「再考」する契機になるように思います。

ただし「最強」は、あくまで楽天モバイル史上「最強」であって、他社サービスまで含めて「最強」かどうかはあまり入れ込まない方が良さそうです。使い方や場所を加味してよくよく吟味する必要があるかもしれません。

いくつかの条件が整って「これはいける」となれば、使い放題月額最大3,278円はまさに「最強」でしょう(あくまでクリアすべき条件ありきの「最強」ですが)。

利用開始後の料金をシミュレーションできます
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もし料金面での不安があるようなら「料金シミュレーション」でだいたいの目安額を算出してみてはいかがでしょうか?

通話時間やデータ通信量を入力すると「データ使用量」の目安が表示されますので、段階料金のどこに当てはまるかを見れば請求額の予想ができます。

お得なキャンペーンも実施中

お得なキャンペーンを実施しています。楽天モバイル契約時に端末購入を考えている場合にはキャンペーン利用がおすすめです。

iPhoneトク得乗り換えキャンペーン 最大14,000P還元
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楽天モバイルをはじめて申し込むユーザーが、所定のiPhoeを購入した場合に最大14,000円相当の楽天ポイントが還元されます。

スマホトク得乗り換えキャンペーン 最大9,000P還元
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「トク得キャンペーン」のAndroid版です。Xperia/Galaxy/Aquosなどのスマホ購入で6,000P、回線契約で3,000Pあわせて9,000円相当の楽天ポイントが還元されます(回線のみでもOK=3,000P還元)。

RakutenHand5G/WiFi Pocketが1円!2回線目でも対象
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楽天モバイル申込時に、オリジナルAndroidスマホ「Rakuten Hand 5G」か「Rakuten WiFi Picket」を購入すると、端末が「1円」になるキャンペーンです。

楽天モバイル最強プラン まとめ

通信可能エリアが他3キャリアと同等の「人口カバー率99.9%」を達成し、さらに、au回線エリアでもデータ通信の5GB上限が撤廃となり、「繋がらない」「容量足りない」といったこれまでのネガティブ要素が払拭されるプラン変更になりそうです。

かつて1GBまで無料の施策は単に無料で使いたい人を増やしただけのような気がしましたが、今回のプラン変更は、日々の利用の上で実質的にプラス要因になることは明白です。

さらに、楽天市場での買い物に対してポイント還元2倍(=2%UP)は、楽天経済圏の住人にはかなり大きなメリットです。

以上から自分的には、楽天モバイルが再び「おすすめ格安通信」「人気スマホ回線」に返り咲くのは間違いないと見ました。

ちなみに、楽天モバイルは「初月無料」ではありません。どんなに利用期間が短くても段階料金の容量区切りに当てはまる料金が請求されます(例:3GB以下なら1,078円、20GB以下なら2,178円など)。

また多くの通信会社は最終月は利用日数に関わらず満額請求となるので、乗り換えるなら月末ギリギリが最良タイミングかと…。

それでは今日はこの辺で。

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当ブログ運営のKAZです。普段はモバイル関連、ガジェット関連のWEBライターをしています。スマホは「4s」以来ずっとiPhone。SIMは2014年の「Biglobe SIM」を皮切りに14社30プラン超の格安SIMを利用してきました。現在はPovo2.0で月額無料運用中です。「安くて速いSIM探しませんか?」をテーマにおすすめSIMやiPhoneの話題をお届けします。

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