2022年10月で楽天モバイルの1GBまで実質無料が終了となりますが、今回は楽天モバイルの乗り換えについて考えます。
楽天モバイルは、UN-LIMITⅦに移行に伴い2022年6月をもって「1GB無料」を廃止しましたが、「移行措置」として7~8月は無料を継続、9月~10月は料金支払いは発生するものの相当分の楽天ポイントが付与され『実質無料』でしたが、いよいよ残り10日で実質無料も終了となり、利用量に関わらず最小1,078円の料金が発生するようになります。
さて、その移行期間も残すところ10日。
11日後の11月1日以降は、データ通信が1GB以下であっても1,078円が課金されるようになります。
そこで、今回は10月中に他社に乗換えるべきか、そのまま楽天モバイルを有料で利用継続するべきかを考えます。
楽天モバイルを利用するメリットはなんだっただろう?
【1GB以内を無料で使える】
これは非常にインパクトのある施策で、これが盛り込まれた「UN-LIMIT Ⅵ」では契約者数が大幅に増加した一方、「繋がらない」「圏外になる」などの声も少なくありませんでした。
SNSではいまだに「繋がらない」とする投稿が続いています。
楽天モバイルでは、2023年度中に4G基地局を6万局超に拡大し、これによって人口カバー率は99%に達する見込みだとしていますが、単に机上の数値だけでない実際の使用感は、建物内やビル影、地下街などであまり良好な通信品質とは言えない面もあるようです。
実際に都内へ通勤して毎日スマホを利用している家内に聞いても、他の3キャリアに比べると通信できない場所が多い印象があるとのことなので、やはりまだ「厚み」の部分で基地局が足りていない側面があるようです。
ただ反面、「料金」「端末」の面では他3キャリアを凌ぐものがありますし、料金面で対抗するMVNOと比べれば繋がった場合には「通信速度」の面で、さすがキャリアと思わせる速さを持っています。
料金面でのメリット
1GB以下無料は11月以降は消滅してしまうので、もはや楽天モバイルのメリットとして挙げるべきことではありませんが、3GBまでの料金1,078円は、Povo2.0(au)やLINEMO(Softbank)の3GBプランと同等クラスで(Povo/LINEMOは990円なので実際には税込88円の差がある)、楽天モバイルが特に割高ということはありません。
PovoやLINEMOと同じく、キャリアの通信品質を勘案すれば十分割安で継続利用に値するプランです。
また、20GBでは3キャリア料金より約1,000円割安な2,178円(1,980円+税)で利用可能ですし、21GB以上では、容量に上限制限のない「使い放題」で3,278円(2,980円+税)とダントツの安さを誇っています。
いわば、楽天モバイルは大容量を使えば使うほどお得なキャリアということができます。
そういった意味で、楽天モバイルは1~3GBの小容量よりも、20GB超の大容量で利用した方が料金面でのメリットが出やすいキャリアと言えるかもしれません。
Rakuten Linkでの無料かけ放題もコスト低減のポイント
加えて「Rakuten Link」を利用した通話が「通話料無料かけ放題」であることも大きなメリットです。
「Rakuten Link」は楽天モバイルのデータ通信回線を使用して通話やSNS機能が利用できますが、毎月の基本料も、1回ごとの通話料も課金されない「完全無料」であることが最大のメリットで、通話料を大幅に削減できます。
ただし『通話音質』に関しては、通常の通話回線と「Rakuten Link」では正直比べ物になりません。やはり通話専用回線では雑音が少なく途切れることなく通話できますが、Rakuten Linkは通信回線を利用するだけに通信状態に大きく左右され、通信状態が悪い場合にはまったく会話が成り立たなかった経験があります。『無料かけ放題』は大きな魅力ではあっても、必ずしも高音質の快適な通話が約束されているわけではないことにも注目すべきです。
Rakuten Linkの音質の悪さをカバーするためには通常の通話回線からの発信(発話)が必要ですが、いかんせん20円/30秒は割高すぎますので、G-Callなどの通話サービスの併用がおすすめです。
端末価格の安さはキャリア随一
流通系の強みなんでしょうか、あるいはユーザーを集めるための施策の1つなのかもしれませんが、端末価格に関してはかなり割安な印象です。
特にiPhoneに関して安さが目立ちます。
端末購入も含めてキャリアを選ぶのであれば、楽天モバイルの端末価格設定は魅力的です。
ただし、取扱い端末数はあまり多くはありません。
繋がれば速い楽天モバイル
通信エリア内の厚みが足りないという指摘がなかなか払拭できない楽天モバイルですが、基地局に接続できさえすれば、さすがのキャリア品質と良好な通信速度を利用することができます。
料金的に見れば、楽天モバイルよりも割安なMVNOプランは存在しますし、それはそれで充分チョイスに値する価値を持ってはいると思いますが、概して、MVNOはやはり速度低下の時間帯があることは否めません。
その低下ぶりが許容できる範囲であれば、MVNOも十分利用価値があると思いますが、絶対的な品質や速度に関しては、やはり自社通信網を持つキャリアとは同列には語れません。
通信品質や接続時の通信速度などを勘案すると、自社通信網を持つキャリアである楽天モバイルを利用することにはそれなりの意味があるように思います。
11月以降も楽天モバイルを継続すべきか
上記のようなメリットを踏まえた上で、ついに無料ではなくなる楽天モバイルを継続すべきか否かを決断する時期となっています。
「SPU」の特典~ポイントが最大+3倍に
あきらかに現ユーザーの囲い込みの施策と思われますが、11月以降は、楽天ンモバイル利用者が楽天PointClubのダイヤモンド会員の場合は+3倍、ダイヤモンド会員以外は+2倍となります。
楽天経済圏の住民の方にとってはこれは大きいのではないでしょうか。
楽天モバイルを使っているだけで黙って+3倍、+2倍となるのですから。
自分の場合は、Amazon利用が多いのであまりインパクトはありません。どうしても翌日配送が当たり前のAmazon Primeの感覚で楽天市場を使うと、Amazonならとっくに届いているタイミングで「発送日のお知らせ」などが届くのでイラっとしてしまうのです^^;
単純計算した場合、最小料金の1,078円を+3倍のポイントでチャラにするためには、35,933円の買い物が必要ですが、筆者の場合には過去に楽天市場で1か月に30,000円超の買い物をしたのは数回しかありません。
やはりあくまで日ごろから楽天経済圏を継続利用している人のための施策と言えそうです。
新型「iPhone14」シリーズがキャリアで一番安い
過去のモデルもそうだったように、最新のiPhone 14シリーズも楽天モバイルが最も安価に購入できます。
20GB超の大容量は使わない
冒頭でも述べたように、1GB無料が廃止されて以降の楽天モバイルのメリットは、やはり20GB超の大容量使用時の料金にあると考えられます。
他キャリアが20GB=2,980円のところ、楽天モバイルは1,980円(税込2,178円)で利用可能ですし、20GBを超えた場合は容量の制限はなく、『無制限=2,980円(税込3,278円)』という、破格と言ってよい料金体系となっています。
ただ、自分としては月間に使っても3~5GB程度なので、この恩恵は享受できません。
結論~継続か解約(MNP)か
以上を総合的に判断して、楽天モバイルは継続しないという結論に至ったため、かなり早い段階で解約済です。
筆者の場合には、メイン回線はPovoに移行済みですので、単なる解約となりました。
乗換える場合におすすめの通信プランの組み合わせ
『その辺はもういいのでできるだけコストを抑える通信サービスとプランを教えて』
という方向けに、現時点で筆者が考える最安回線維持プランをご紹介しておきます。
通信障害等に鑑み、単一回線ではなく異なるキャリアの複数回線プランをおすすめしています。
通話について~G-Callのすすめ
どの通信会社の料金プランを選んでも、基本通話料は「22円/30秒」で同じです。
MVNO各社は「料金半額通話」(○○でんわ)を提供していますが、通信会社を乗り換えるたびにアプリをダウンロードして初期設定をする手間がかかります。
大手キャリアの格安プラン(PovoやLINEMO)には半額通話サービスさえありません。
そんな時は『G-Call』の利用をお勧めします。
G-Callは、MVNO各社が提供する半額通話サービスと同様に、割安な通話回線を経由して料金を引き下げた通話サービスですが、通信会社に関わらず利用できる点が大きなメリットです。
G-Callに電話番号を登録しておけば、その電話番号がどの通信会社に属していても(つまりMVNOで乗り換えても)何もせずに「G-Call」を使い続けることができます。
通話料は驚異の8円/30秒、10分かけ放題も業界最安の770円/月です。
G-Callについての詳細は以下の記事を参照してください。
mineo「まいそく」+Povo2.0の最安プラン
とにかく安く回線を維持する…ということにこだわったプランです。
mineoの「まいそく」には、いくつかプランがありますが、『とにかく安く』というのであれば、通信速度を最大300kbpsに抑制された「ライト」がおすすめです。
Povo2.0は大手キャリアauが運営する格安プランなので、通信品質や通信速度は文句なしですが、基本料金がかからない点が最大の特徴です。
必要に応じて「トッピング」を別途購入して高速通信を行いますが、トッピングしなければ128kbpsの最低限の通信が可能で基本料金は0円です。
高速通信を使いたい場合には、Povoのトッピングを必要な分だけ利用する…というパターンになります。
「まいそくライト」+「Povo2.0」で月額660円です。
月額990円でキャリア回線を2回線確保する
料金は安い方が良いけれど、高速通信ができないのは困る…という方向けの大手キャリア2回線のプランです。
au「Povo2.0」+Softbank「LINEMO」、いずれかに主回線(メイン電話番号)にし、片方をサブ回線にするプランですが、「Povo2.0」はトッピングしなければ無料で維持できるので、月額基本料は990円で済みます。
LINEMOは現在キャンペーン中で、契約の翌々月以降8か月間「基本料実質無料」で使えるので、この期間は月額基本料は実質無料で2回線を維持できます。
実質とは基本料金分をPayPayポイントで還元されるためですが、一旦支払う料金分のクレジットカードのポイントが付くので、単に無料よりほんの少しですがお得になります。
Povo2.0は紹介制度を利用すると「24時間使い放題」がプレゼントされます。紹介コード『KZUV68TM』をご利用ください。
最安MVNOとPovo2.0の組み合わせ
無料で回線維持できる「Povo2.0」をサブ回線に保有する点は同じで、MVNOの1~5GBの最安プランを組み合わせます。
1GB未満 | 1GB | 2GB | 3GB | 4GB | 5GB | |
IIJmio | → | → | 440円 | → | 660円 | 1,100 |
NUROモバイル | 330円 | → | → | 627円 | → | 825円 |
日本通信SIM | → | 290円 | 510円 | 730円 | 950円 | 1,170円 |
b-mobile | 190円 | 528円 | → | 935円 | → | 1,595円 |
HISモバイル | 290円 | 440円 | → | 580円 | → | 880円 |
こちらは、IIJmio・NUROモバイル・日本通信・b-mobile・HISモバイルのデータ容量ごとの月額料金です。
日本通信SIM「シンプル290」のみ、音声通話機能付きSIMで、他はデータ通信専用SIMです。
1GB未満
NUROモバイルは330円/0.2GB、b-mobile(日本通信)は190円/100MB、HISモバイルは290円/100MBを提供しています。
通信は行わず回線を維持するだけならb-mobile「190Pad SIM」プランが月額190円で最安ですが、それなら「Povo2.0」を無料で持っていた方がコストが全くかからない上、初期費用やSIM発行手数料も無料なのでお勧めです。
※紹介コード『KZUV68TM』
【1GB】
1GBでの最安は日本通信SIMの「シンプル290」プランで、月額290円で1GB付きです。
しかも、この基本料金で音声通話が可能です。コスパで考えたら最強SIMの1つでしょう。
日本通信の特徴は「従量課金制」です。
他社の「固定課金制」では例えば1GB/月を2GB/月にプラン変更する場合、適用されるのは翌月以降となりますが、日本通信では使った分だけ支払う「従量課金制」なので、その月から好きなだけ容量を使うことが可能です。
HISモバイルの290円/月額も一部で話題になっていましたが、日本通信SIMであれば同じ月額290円でデータ通信1GBが付帯する分だけおすすめです(そもそもHISモバイルの回線は日本通信が供給しています)。
【2GB】
2GBで最安なのはIIJmioの「ギガプランeSIM」の440円/月ですが、こちらはデータ通信専用で「ドコモ回線限定」「要eSIM対応」等の条件付きとなるため、eSIM非対応端末では利用できません。
eSIM限定になりますが、440円/2GBはかなりインパクトのある料金設定です。
【3GB】
3GBでは580円/月で使えるHISモバイルが最安となります。データ通信専用SIMです。
【4GB】
4GBでは再びIIJmioの「ギガプランeSIM」が最安となりますが、「ドコモ回線限定」「要eSIM対応」等の条件付きとなります。
【5GB】
5GBの最安プランはNUROモバイルになります。
MVNOはどうしても回線混雑時の速度低下が起こりがちです。利益を生めるギリギリの回線量しかキャリアから借り受けないため、どうしても最混雑時には回線量が足りなくなり速度低下が起こりやすくなります。料金主眼で選ぶならMVNOも「あり」ですが、品質・速度で選ぶなら筆者としては「Povo」や「LINEMO」などのキャリアの格安プランをおすすめします。
まとめ
今回は、楽天モバイルの1GB実質無料が廃止となるタイミングで、楽天モバイルを継続すべきか、他社乗り換えを検討すべきかを考えてみました。
1点注意すべきは、先日のauの事例で「いつ起こるか分からない通信障害への備え」が重要であることが身に染みてわかったので、「サブSIM」「2枚目SIM」を用意しておくことは、楽天モバイル(つまりメイン回線)の継続とは無関係に検討しておくべきと考えます。
それでは今日はこの辺で。