NTTドコモが新料金プラン「irumo(イルモ)」と「eximo(エキシモ)」を発表しました。
今回は、「irumo」のプラン内容をチェックし、どんな人に向いているのか、どんなお得があるのか、さらにはirumoのメリットやデメリットをしっかり検証してみたいと思います。
大手キャリアNTTdocomoの料金プランが月額550円から使えると話題ですが、それって本当に実用性はあるんでしょうか?見かけ倒しの安さなら使う価値なし…ですけれど。積極的に良い処も探してみましょう。
料金プラン概要~irumoってどんなサービス?
プラン | 0.5GB | 3GB | 6GB | 9GB |
基本料金 | 550円 | 2,167円 | 2,827円 | 3,377円 |
1GBあたり | 1,000円 | 722.3円 | 471.2円 | 375.2円 |
割引① | 適用外 | -1,100円 | ||
割引② | 適用外 | -187円 | ||
割引後料金 | 550円 | 880円 | 1,540円 | 2,090円 |
1GBあたり | 1,000円 | 293.3円 | 256.7円 | 232.2円 |
料金体系はシンプルです。
データ容量は0.5GB/3GB/6GB/9GBの4種類のみで、それぞれに基本料金が定まっており、2種類の割引が適用されて割安になる仕組みです。
- 割引①
home 5Gセット割/ドコモ光セット割…△1,100円 - 割引②
dカードお支払割…△187円
1GBあたりのコストを表内に示しておいたので参照してください。容量が多い(つまり料金が高い)方が1GBあたりのコストは割安です。もちろん、割引適用後はさらに割安になります。
「お得な料金プラン」を謳っていますが、2種類のサービスとのセット割引を適用することを前提としたプランです。
ちなみに、0.5GBプランは割引適用がなく、基本料金550円のままです。
プラン | 0.5GB | 3GB | 6GB | 9GB |
高速通信容量 | 3Mbps | eximo/ahamoと同等 | ||
容量超過後 | 128kbps | 300kbps | ||
通話料金 | 22円/30秒 | |||
5分通話無料 | 880円/月 | |||
かけ放題 | 1,980円/月 |
通信速度は、原則「eximo/ahamo」と同等ですが、0.5GBプランは最大でも3Mbpsまでに制限されます。また容量を使い切った場合(いわゆる低速時)は、300kbps(0.5GBプランは128kbps)となります。また0.5GBプランは5Gが使えません。
通話料は一律で22円/30秒(通常の料金です)で、通話定額は「5分通話無料(月額880円)」と「かけ放題(月額1,980円)」の2種類が用意されています。
通信速度のeximo/ahamo同等とは?
ちょっと気になるのがirumoの通信速度は「通信速度 eximo/ahamoと同等」という部分(0.5GBプラン除く)です。
eximo/ahamoと同等なら速いんだね!
と思うじゃないですか。
実はこの記述、よく注意しないといけないんですが、そもそもahamoの通信速度は、混雑時にはドコモ本サービスが優先する仕組みになっているんです。平らに言うと、混雑したらeximo/ahamoから速度制限してドコモ本サービスの速度を確保しますよ…という意味です。
「irumo」のWEBに小さく注意書きがあります。
『通信混雑時・大量通信時などに他の料金プランよりも先に通信速度の制限を実施する場合があります』
ちなみに以下のTweetは、日本通信・b-mobile公式のつぶやきなんですが、「モ~」って明らかにirumo/eximoのことですよね^^;
セット割引きや、小さな注意書きでモバイル通信料金が分かりにくくなるプランは要らないモ~!(ひとりごとです)
— 日本通信&b-mobile公式 (@bmobile_jci) June 20, 2023
MVNOの日本通信にこんなTweetされちゃうようじゃ困りますね…。
まあ日本通信は何かとドコモにつっかかってゆく傾向があるのでそういうことなのかもしれないし、自社サービスのアピールもあるんだろうけど、誰がみてもわかりにくいプラン内容だ…と思わなきゃこんなTweetなかなかできないんじゃないんじゃないかなと思います。
irumoのメリットとデメリットを検証
irumoのメリットって何でしょう。ピックアップしてみました。
MVNOのサービスではないので、NTTdocomo自身が運営しているレッキとしたキャリアサービスであり、NTTdocomo回線を使用している(つまりキャリア品質)のは大きなメリットと言えるでしょう。
格安プランでありながら、キャリアショップ(ドコモショップ)でサポートが受けられるという点も、リテラシーの高くない方にとってはメリットと言えるのかもしれません。
さらにあえていうなら、最低550円でdocomo回線を持っておけるのもメリットと言えなくもありません。
通信速度は「eximo/ahamo同等」なので、混雑時にはまっ先に速度制限を受ける可能性が高いです。割安なプランより、高額料金を支払っている本サービスを優先するということでしょう。
また、家族割引の適用がない上に、家族間通話も割引やかけ放題が適用されません。さらにドコモメールはつかえるものの別途費用がかかります(有料)。
「おひとり様」での使用を前提としているのか、家族に対する恩恵がまったくないと言えます。
また、メリットの項で「ドコモショップでのサポートを受けられる」としましたが、実はirumoの店頭サービスは有料です。
- 初期設定サポート(データ移行)2,200円/回
- アプリ設定サポ―ト1,650円/回
- OSアカウント設定/バックアップ/OSアップデート/スマホ初期化/生体認証設定/フィルム貼付サポート等…1,100円/回
等々とかなり割高な料金を取られます。すべて作業1つ1つに料金がかかるので、まとめてサポートしてもらうと1万円超えなんてこともあり得るかもしれません。お金を出しても店頭サポートをして貰えないahamoに比べれば、そういう需要もあるのかもしれませんが、店頭サービスを受けられること自体はメリットかもしれませんが、現実的には逆にデメリットともいえる、あまり嬉しくない仕組みです。
irumoはだれに向いている?
では、実際にirumoはどんなユーザー向きなのでしょうか。
0.5GB/550円が向いているのは…
WEB閲覧や動画視聴、ゲームなどのデータ通信を一切しない人で、たまにメールを返信する程度の方で、回線利用のほとんどが「通話」で、しかも自分で発信するより受話の方が多い方。
そう仮定すると、0.5GB/550円/通話料22円というプラン内容でも大丈夫なのかな…と思います。
3GB/6GB/9GBが向いているのは…
これは単純に「home 5Gセット割/ドコモ光セット割」が適用できる方で、dカードを保有していて料金を決済できる方でしょう。
irumoの「素」の基本料金はかなり割高ですので、割引適用なしに利用するのではメリットはほぼないと言えます。
「どうしてもドコモ回線が使いたい」
「irumoを愛してやまない」
そんな方であれば、irumoの価値は高いのかもしれません。
そうは言っても、すでに「home 5G」「ドコモ光」を導入している方は、irumoにすることでスマホ料金が割安になってお得になるケースもありますが、これからirumoとのセットで「home 5Gセット割/ドコモ光セット割」を申し込む場合には、「home 5Gセット割/ドコモ光セット割」の料金も発生します。
- home 5G…4,950円/月(税込)
- ドコモ光…4,400~7,150円(税込)
この料金を上乗せで支払っても「お得」になるのであれば、irumoにする「手」もありかもしれません。
irumo自分的まとめ
正直、セット前提のプランなんていまどき、はやりません。
自宅の光通信とのセットなんてしなくても、支払うクレジットカードを限定しなくても、LINEMOやPovo2.0なら単純に3GB/月=990円です。
しかも昨今「通信品質が悪い」と批判されまくりのドコモの割高プランをわざわざ契約しなくても…というのが正直な感想でした。
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こちらは「irumo」の公式サイトのアイキャッチですが「スマホ代に、納得感を」と書かれています。
このプラン内容でスマホ代(=料金)に納得する人っているんでしょうか。
LINEMOなら3GB月額990円で「LINE」利用分の通信量は無料だし、Povo2.0なら3GB=990円/30日で「ギガ活」すれば普段の買い物や飲食でギガを無料で貰える…というプラスアルファがあるのに、「irumo/eximo」は光通信サービスをセットしないと割高になるんですから、何をかいわんや…です。
自分的には全く納得する要素がありません。
あと余談ですが、メディア曰く「若者層には相手にされないのでシニア層を狙う」のだそうな。
でも、ドコモの携帯電話がレンタルのみから販売されるようになった当時の現役世代だった30代って、いま70歳目前の年齢層なんですね。ちゃんとその時々のガラケーやらスマホを普通に使ってきていれば、いまの70前後はスマホ音痴ではないんで、こんなプランが馬鹿げていることぐらいわかりますよ。
シニアなら何を言っても信用して騙せるという前提でものを言うメディアもどうかと思います。
それは今日はこの辺で。