楽天モバイルは、音声通話機能(Rakuten-Link含む)を省いたデータ通信専用プラン「Rakuten最強プラン(データタイプ)」の提供を開始しましたが、なんか変なんです。
楽天モバイルは、auとのローミングを積極的に行うことで「最強プラン」だとしていますが、筆者には『楽天モバイル史上最強プラン』にしか見えません。都市部や繋がりにくいエリアも積極的にau通信網を利用するので「人口カバー率」は一気に99.9%だぜ!というのがその根拠なんですが、内情をよくよく確認してみれば、ローミングできるのは相変わらず800Mhzのみ…。他社と比べても「最強」と胸を張れるほどの改善が見込めるのかな…と疑問を感じる中でのデータ通信プラン登場です。
最強プランデータタイプのプラン内容を確認
特に何か特別なことはありません。従来の音声通話付きの「最強プラン」から以下のサービスを使えなくしただけのプランです。
- 音声通話機能
- Rakuten-Link
- キャリア決済
- キャリアメール(楽メール)
ではできることは何?というと
当たり前ですが「データ通信」は可能です。
その他に、新たに楽天カード会員のみ利用可能な「ワンクリック申込み」に対応…という程度です。
現在の取扱いはオンラインのみで、実店舗での取り扱いは8月以降とのことです。
プラン料金は通話付き最強プランと同様
料金 | 税込 | |
3GBまで | 980円 | 1,078円 |
20GBまで | 1,980円 | 2,178円 |
20GB超 無制限 | 2,980円 | 3,278円 |
こちらが最強データプランの料金区分と税込料金です。通話付きプランとまったく同じで1円も違いません。
一般的にデータ専用プランは、通話ができない、SMSが使えない…ということで通話機能付きプランよりも割安な料金設定になっていることがほとんど(知っている限りすべて)ですが、通話機能の有無やキャリア決済の可否、キャリアメールの可否による料金の差はありません。
では何かデータ通信だけのメリットがあって通話付きプランと料金が同じなのか?と思って調べたのですが見当たりません。まったく同じ内容で、機能の一部が脱落しただけで料金は同じです。
納得がゆかない。
これが第一印象です(笑)。
楽天カード保有者しか申し込めない
実は上記の4項目以外にも「条件」があります。
このデータ通信プランは楽天カード会員(カード保有者)しか申し込めないんです。
当然持っているだけではダメで、決済を楽天カードで行うことも前提です。したがって、今をときめく三井住友カードや、みんな大好きPayPayカードなど、他社カードでは決済できないし申し込むことさえNGです。
なんとまあネガティブ要素だらけの新プランですこと。
3GB1ヵ月の料金1,081Pがポイントバック
何かポジティブな条件はないのかと探したら、キャンペーンが見つかりました。
「お得に試せる」ということで、3GBの税込料金ぶん(※)1,081ポイントが還元され、実質無料で試せます…というキャンペーンです。
※1,081Pには、『ユニバーサルサービス料分:2ポイント』『電話リレーサービス料分:1ポイント』が含まれます。
最強データプランはどんな人におすすめ?
正直、どんな人におすすめなのか分からないです。
料金が違うのであれば、「安い料金で試せる」とか、「通話をしない方向け」といった括りでおすすめできるのですが、通話機能やキャリア決済、キャリアメールができないのに料金が一緒ということであれば、あえてデータ通信しかできないプランをおすすめする理由がありません。
強いていうなら、楽天カード保有者限定なのでカードの審査や与信が利用されるため、『本人確認書類』が不要で申込できる点でしょうか。
でも、あれができない、これができない、それでいて料金は同じ…というネガティブ要素を払拭するほどのメリットかどうか、ちょっと疑問です。
それでもMVNOからの乗り換えを検討している場合には、
「楽天モバイルって噂ではダメダメだけど実際どうなの?」
「楽天モバイルは最強だと謳っているけど実際どうなの?」
と言う方には、まさに「お試しプラン」としての利用は辛うじて「あり」と言えるのかもしれません。
それも「MNP手数料」が発生するMVNOからの乗り換えの方にだけ該当することで、ahamoやPovo、LINEMOといったキャリア系の格安プランからの乗換えであれば、そもそもMNP手数料も加入時の初期費用もかからないので、番号変更(MNP)で乗り換えてしまって「やっぱりダメだ」となって、また戻るとしてもコストは発生しないんですよね。
そもそも楽天モバイルの良さって
そもそも楽天モバイルの良さってなんでしたっけ?
まだまだ圏外になってしまうエリアも多いし、いくらau回線ローミングで数値上のカバー率を上げたとて、そのローミング可能な唯一のau回線=800MHzが混雑してしまえば「繋がりにくい」「遅い」といった問題はあまり改善されていません。
そんなプランでも『Rakuten-Linkで国内通話が無料』という部分を評価して利用している方は少なくありません。
例えば現行楽天モバイルのプランの最小料金は3GB/980円です。
この980円を通話料に当てはめてみると、980円÷通話料22円=44.5分の通話料になります。つまり、データ通信を3GB以内に抑えて、通話時間が45分以上の場合には、月額料金分以上の通話をしている計算になるわけです。
980円の料金を「かけ放題料金」と見立てれば、無制限のかけ放題に3GBの高速通信が付属している…と逆転の見方もできるわけで、そう見ると意外に魅力的なプランと感じます。
さほど音質はよくありませんので、商談など客筋への通話は無理だとしても、家族間や友人間の通話であればいくら話しても上限980円(税込1,078円)というのは大きなメリットです。
しかるに、今回のデータ通信プランは、その大きなメリット「Rakuten-Link」での通話をNGにした点で存在価値をかなり減じているな…と思うんですね。
「試す」というなら「Rakuten-Link」の音質だって色々言われているのですから、試したい人は多いと思うんですけれど。
あまり好条件ではないけれど試すだけ試してみればいいのかも
1か月間は3GBまで実質無料で試すことができますので、今現在の楽天モバイルの通信状況を自分で体験的に確認できる…という点は確かにメリットですが、でもそれなら音声通話付きプランでもいいわけです。
本人確認書類がそれほど大きな障害になるのであれば、確かに「不要」なのはハードルをグッと下げるのかもしれませんが、本人確認書類が不要で1,081P貰えるだけで、「通話不可」「キャリア決済不可」「キャリアメール不可」の条件は、ユーザーにとって「分が悪すぎ」るように感じます。
それでも、実質無料なんですから、難しいことは考えずに試してみればよいのかもしれません。
今回は楽天モバイルの新プラン「最強プランデータタイプ」について考えました。
通話付きの本来のプランでさえ、楽天モバイルがいうほど「最強」ではない上に、できなことが4つもあるのに料金は同じ、3GB1か月分のポイントは貰えるけど肝心の通話ができない。でも、楽天カード保有者という条件付きながら、ワンクリックで本人確認書類の提出なしに契約完了で利用できる。
それをどう評価するか…ですね。
自分なら本人確認書類を提出してでも通話が可能な通話機能付きプランを契約すると思います。楽天カードより還元率のよいカードも持っているので、あえて楽天カード決済する必要もありませんので。
それでは今日はこの辺で。
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