今回は、LINEMOを述べ8か月使ってみて、3GBで足りるならLINEMOが絶対おすすめ…という理由を解説します。
先日のauの大規模通信障害では1回線保有に懲りた方が多かったのではないでしょうか。かく言う自分もそうで、やはり2系統の通信手段を持っていないと怖いな…と感じました。とはいえランニングコストがかさむのは嫌ですが、1GB無料の楽天モバイルがなくなる(10月いっぱいで完全終了)と、1~3GBを無料で維持できる回線は存在しなくなるので、2回線は何と何と組み合わせて持っておけばいいのか悩ましいところです。
自分自身のLINEMOの利用は、2021年7月の「ミニプラン」提供開始から6か月間、中断を挟んで、2022年7月から現在に至る2か月間で、合わせて延べ8か月間になりますが、自分が理想とする【速くて安い】を高コスパで実現していると感じています。
今回は、SIMの月間容量は「3GBあれば足りる」という方向けに、LINEMOがおすすめの理由をまとめて紹介してみようと思います。
LINEMOの料金スペックを再確認しておこう
通信回線 | Softbank |
初期費用 | なし |
SIM発行料 | なし |
SIM | SIMカード、eSIM(無料) |
月額基本料 | ミニプラン:990円/月、スマホプラン:2,728円 |
データ容量 | ミニプラン:3GB、スマホプラン:20GB |
容量超過後速度 | ミニプラン:300kbps、スマホプラン:1Mbps |
5G通信 | 追加料金なしで利用可能 |
容量追加購入 | 550円/1GB |
LINEギガフリー | ミニプラン:適用、スマホプラン:適用 |
基本通話料 | 22円/30秒 |
通話定額 | かけ放題:1,650円 |
通話準定額 | 5分かけ放題:550円 |
プラン変更 | ミニプラン⇔スマホプラン(無料) |
SIM再発行・交換 | 無料 |
解約料 | なし |
MNP手数料 | 無料 |
上記はLINEMOの基本的なスペックを一覧にまとめたものです。
この表から分かることは4つです。
- 通信回線はSoftbank通信網を利用すること(Softbankの運営)
- ミニプランの月額料金は990円/3GBであること
- 余計な手数料がかからないこと(初期費用やSIM発行/eSIM利用など)
『通信回線がSoftbank』ということは、通信品質や速度はキャリア品質だということです。
『ミニプラン990円/3GB』ということは、MVNOと遜色ない格安プランであるこということ。
『余計な手数料が不要』ということは、契約時も解約時も、SIM交換も余計な出費がありません。
これらをまとめて大雑把に言うと『余計なコストがかからずMVNO並みの低料金でキャリア品質のサービスを高コスパで利用できる』サービスだということになります。
LINEMOはキャリアサービス~MVNO格安SIMとは違う
LINEMOは、通信キャリアSoftbankが運営する格安プランです。
オンラインでしか申し込めないとか、店舗で契約できない、相対で接客して貰えない…など「訳あり」(※)なんですが、その分、料金は割安になっています。
しかも、使用している通信回線は、いわゆる格安SIMと呼ばれる「MVNO」ではなく、通信キャリア自身が運営する格安料金プランであることが最大の特徴です。
つまりLINEMOは『ちょっと訳ありだけど回線はSoftbankそのものなので実は高品質』というわけです。
※現代日本で最もお金がかかるのが、「地代家賃」「エネルギー費」「人件費」です。LINEMOは店舗で取り扱わないことで、このお金のかかるTOP3を削減することで低料金を実現しています。
MVNOは最速・最良のサービスにはなり得ない?
「MVNO」は、自社で通信回線を保有していないため、大手キャリアから回線をまとめて借りてユーザーに回線を小分けに切り売りするサービスです。
大手キャリアから回線を借りるには当然「費用」がかかります(これを「接続料」といいます)。
「接続料」は言い換えれば「仕入れ代金」に当たりますので、より多くのユーザーに使って貰って料金を集めれば【黒字】になりますが、逆に接続料に見合うユーザー数の利用がなければ【赤字】になります。
回線を利用する人数が多ければ多いほど「黒字」にはなりますが、その分、通信が混雑して通信速度が低下する等のユーザー側のデメリットが生じます。
つまり、格安SIM各社の利益とユーザーの満足感は相反する…ということになりますので、ある程度の利益も出しつつ、ユーザーが解約してしまわない程度の満足感を与えるバランスを考えなければならず、どうしても「最速」「最良」の状態のサービスにはならない…という宿命を抱えているのです。
よく地方のガラガラの有料道路があるじゃないですか。収益を無視して品質重視のMVNOを作ると状況はガラガラの有料道路状態になってしまいます。片側2~3車線の道路を作ったけど交通量は少ないので、渋滞(通信速度低下)は起こらず出そうと思えば最高速度までいくらでもスピードを出せます。そんな無駄に快適道路を高いコストかけて作ったら赤字も当たり前ですよね。
そこで、1~2車線を赤いポールで区切って使用しないようにする~つまり道路の太さを細くする=無駄に通信回線を借り入れないようにするしかありません。でもそうすると週末や祝日には渋滞して速度低下が起こるようになってしまう…というわけです。
それでも以前はMVNOの安さがメリットになった
自分は、モバイル通信関連のライターとして直近6年の間、いわゆる格安SIMを見てきましたし、個人としても格安SIM好きとして、2014年の「BIGLOBE SIM(現在のBIGLOBEモバイル)」を皮切りに多くのMVNOを利用してきました。
当初は【大手キャリアは品質は良いが料金が高額】vs【MVNOは速度低下するけれど料金は割安】という明確な棲み分けがあり、多少の速度低下や品質の問題は「料金の安さに免じて目を瞑れる」と考える人たちによって支えられてきました(自分もその一人です)。
要は、割高でも品質を優先するか、高品質とは言えないがコスト優先か…だけなのでシンプルでした。
ahamoがシンプルな選択基準を破壊した
「高い料金でキャリアの品質を取る」か、「品質に難はあるが安さを取る」か…の二者択一で均衡が保たれていたところへ、政府や総務省の値下げ圧力に応えるカタチでNTTドコモが「ahamo」をリリース、KDDI・Softbankも追従したことから、それまでの二者択一のシンプルな構造が壊れました。
「Povo」「LINEMO」も含めた大手キャリア提供の「格安プラン」は、それまで割高が当たり前だったキャリア回線を【2,980円/20GB】のMVNOに匹敵する料金で提供し始めたため、「高いが高品質」等キャリア回線に、「キャリア回線だけど安い」というもう1つの選択肢を作り出してしまいました。
それでも、当初の「キャリア格安プラン」は20GBと大容量のみの提供だったため、『大容量=キャリア』と『小容量=MVNO』の棲み分けができていましたが、「Povo2.0」「LINEMO」で990円/3GBのプランが提供されるに及んで、大容量と小容量の棲み分けもなくなってしまいました。
これらの「キャリア品質で速度低下しない格安プラン」の破壊力はすさまじいものがあります。
LINEMOミニプランがおすすめの5つの理由
ここまで見てきたように、LINEMOの料金は実は非常に割安ですし、キャリアの通信回線(通信網)をそのまま使えるので、MVNOにはできない高品質な通信サービスの提供が可能になるわけです。
3GBで足りる人にLINEMOがおすすめな理由は、以下の5つです。
①割安な料金プラン
②手数料など余計なコストがかからない
③キャリア品質の通信網
④速度制限時でも300kbpsで通信可
⑤LINEは常に高速通信で容量を消費しない
LINEMOおすすめの理由①~割安なプラン料金
実際に、1年間でかかるコストについては冒頭のシミュレーションで分かったと思いますが、なぜ割高なはずの『Softbank通信網』を利用するのにLINEMOの料金は安いのでしょう。
それは簡単な話しで、自前の通信網なので「接続料」を支払う必要がなく、持てる回線を自由に好きなだけ使えるからです。
さらに、前述のように『店舗を持たない』ことによる経費削減効果によってさらに割安な料金で提供できる…という事情もあります。
店舗を持たなければ、地代家賃を支払う必要がなく清掃費もかかりません。冷暖房・照明・パソコン・トイレなどに使用する電気や水道なども不要です。さらにキャリアショップで雇用するスタッフ(人員)も不要となり大幅な経費削減が可能というわけです。
LINEMOは『訳あり野菜』と一緒?見た目悪いけど食べればおいしい
LINEMOは安くていいんだけど、店頭で色々教われたらもっといいのに…
なんて声も一部にはありますが、それは無理な相談です。
店舗を持たずサポートをオンラインに限定するなどしてコストを下げて月額料金を割安にしているサービスに「店舗を作れ」…というのは、プラン設計の根本が覆ってしまう「できない相談」です。
利用する人に条件があるという意味では、オンラインで申し込みや手続きができて、初期設定もできる程度のリテラシーを持っている人向けのサービスということになります。
店頭での手厚いサービスで懇切丁寧な接客・サポートを求めるなら、それなりのコストを支払ってSoftbankの本サービスを利用すべきです。本サービスはそういう人のためのサービスではないのです。
例えるなら「訳あり胡瓜」と同じです。
曲がっていて不揃い…とう「訳」があるから安いわけで、真っすぐで形が揃った胡瓜を「訳あり」と同じ安い金額で売れ…というのは「できない相談」というわけです。
つまり、「訳」を受け入れられるなら、LINEMOは格安料金で利用できます…ということなのです。
LINEMOおすすめの理由②~余計な手数料がかからない
初期費用 | SIM発行 | 基本料金 | 1GBあたり | 年間合計 | |
LINEMO | 0円 | 0円 | 990円/3GB | 330円 | 11,880円 |
IIJmio | 3,300円 | 446円 | 990円/4GB | 247.5円 | 12,656円 |
mineo | 3,300円 | 440円 | 1,518円/5GB | 303.6円 | 14,669円 |
NURO | 3,300円 | 440円 | 627円/3GB | 209円 | 11,264円 |
日本通信 | 3,300円 | 0円 | 1,390円/6GB | 231.6円 | 11,637円 |
BIGLOBE | 3,300円 | 433円 | 1,320円/3GB | 440円 | 19,573円 |
上記の表は、各社サービスに新規(MNP)加入し、3GB/月を12か月間使用た場合に1年間にかかるコストをシミュレートしたものです。
3GBのプランがない場合は、容量が近いプランから「1GBあたりの料金」を割り出し3GBに換算し、12か月分を算出しています。
1GBあたりの料金は、BIGLOBEを除いてすべてのMVNOがLINEMOよりも割安な料金となっていますが、初期費用やSIM発行、さらにSIM再発行などの手数料を合算した場合には、「NUROmobile」「日本通信」そして「LINEMO」が1万1000円台で最安になります。
「IIJmio」「NUROmobile」「日本通信」は、基本料金だけで見ればLINEMOよりはるかに割安なプランですが、初期費用などの手数料の上乗せが、いかにコスト高に影響するかがよく分かる事例です(※)。
このMVNOの「手数料」コストが、LINEMOやPovo2.0に比べて『実は言うほど安くない』原因です。
もちろん、キャンペーンなどの「変数」によって必ずしも…という部分はありますが、初期費用をはじめとする手数料が不要なLINEMOは実は非常にお得だ…ということが分かります。
しかも、キャリア品質…ということをお忘れなく!
※言い換えれば、1GBあたりLINEMOの割高な高品質通信が余計な手数料加算がないために格安SIMと同等額で利用できることになり、非常にお得感があると言えます。
LINEMOおすすめの理由③~通信品質も速度もキャリア同等
前項でも述べたように、LINEMOはキャリア自身が運営するプランだから通信品質も通信速度もキャリア同等です。
LINEMOの公式サイトには『ソフトバンクと同一ネットワークで通信できる』と明記されています。
まずこの点において、LINEMOと他のMVNOの格安SIMを同列で比べることはできません。
昨今ではMVNOの通信品質や速度も向上していますが、前述のように、キャリア自身が自社通信網をフルに使うのとではやはり次元が違う…ということはどうしても消せない事実です(前項参照)。
LINEMOは速度制限(低速)時300kbps
LINEMOはミニプラン:3GB、スマホプラン:20GBの容量が付帯しますが、容量を使い切ると通信速度が制限されるのは他サービスと同じです。
制限時の速度は、ミニプランで300Kbps、スマホプランで1Mbpsです。
標準プランの低速時1Mbpsがちゃんと使えるのはもちろんですが、ミニプランの300kbpsも少し前のUQmobileが「節約モード」として提供して、他のMVNOの低速200kbpsより速い…的な言いかたをしていた速度なので、思うより普通に使えます。
上記画像のように、月末まで残り10日間も残っているのに3GBを使い切ってしまうこともたびたびです。
実際300kBpsってどうなのか?と言えば、意外に普通に使えます。もちろん混雑時間帯にはちょっとイライラすることもありますが、そうでなければ全然普通に使えています。
低速時の速度なんてメリットになるの?と思う方もいるかもしれません。
LINEMOの低速は公称「最大300kbps」で提供するとされており、実際に計測してみてもほぼ最大値に近い速度が出ています。
しかし、MVNOの中には公称値ほどの速度が出ていないケースも珍しくないので、300kbpsが常に安定して利用できることは十分「メリット」と言えるのです。
ちなみに赤枠の下の2件は5Gでの速度、その下1件は4GLTEでの速度の実測値です。
LINEMOおすすめの理由④~LINEは常に高速通信でデータ消費なし
LINEMOがおすすめの5つめは「LINE利用時にデータ容量を消費しない」ことと、「常に高速通信」ということです。
LINEはいまやライフラインともいえるコミュニケーションツールです。
普段は「もうLINEなんて使わないよ」と他サービスを利用している人でも、災害時などに家族(特に年配者)に連絡する際には不可欠のツールともいえるLINEは利用する機会はあるはずです。
LINEMOは、LINEを使用する際に「通信容量」を消費せず、通信料無料で利用できる上、データ容量の残量に関わらず常に高速通信で利用することが可能です。
LINEを日ごろからよく利用する人ほど「お得感」が出る仕組みです。
※LINEギガフリーのルーツはNTTコミュニケーションズ
LINEMOの「LINEギガフリー」は、もともとはLINEモバイルの「カウントフリー」です。LINEモバイルがデビューする際に『LINEを利用する際の通信料を有料データにカウントしない』サービスが付帯するとのことで大きな話題になりました。
LINEモバイルデビュー時の「カウントフリー」を実際に開発したのは、NTTグループのNTTコミュニケーションズです。今でも、OCNモバイルONEのHPには「カウントフリー」は同社の登録商標であると明記されています。
その後、LINEモバイルにSoftbankの資本が入った際に、「カウントフリー」はNTTコムの登録商標であるため「データフリー」と名称が変更され、さらにSoftbank子会社になった際に「ギガフリー」と再改名され現在に至っています。
通話料は数少ないデメリット!通話料22円/30秒は割高
キャリアサービスなので「料金半額通話アプリ」の提供はないため、基本通話料22円/30秒できっちり課金されます。
これはLINEMOの数少ない弱点の1つです(とううか「普通」なだけなんですけどね)。
注)『22円/30秒』の通話は『10円/15秒』にはならないので要注意です。『22円/30秒』は30秒ごとに22円が加算される…という意味であり、30秒が課金の最小単位であり、30秒以下に細かくカウントしない…という意味を含みますので注意してください。
22円/30秒の通話料金で10分間の通話をすると、通話料は440円にもなってしまいます。
8円/30秒の「G-Call」等を利用するなどで通話料金対策はした方がよいでしょう。
『かけ放題があるじゃない』
というかもしれませんが、これは使い方によってはあまり得にならないケースがあるので要注意です。
通話準定額では、5分の無料時間を過ぎると22円/30秒で課金となるため、10分の通話では、最初の5分までは無料でもそれ以降の残り5分間の通話料は220円です。
LINEMOの通話料に関しては、汎用の通話サービスである「G-Call」の利用をおすすめします。
基本料金はかからず、通話した分だけ『8円/30秒』(国内最安料金)での課金となります。
事例の「10分通話」では、16円/1分(8円×2)×10分間となるため160円の料金で済ませることが可能です。
LINEMOはキャンペーンに積極的
LINEMOでは常に何かしらのキャンペーンが実施されています。
もともと初期費用(契約事務手数料やSIM発行手数料など)がかからない上、料金も割安な設定で、eSIMも無料で選択可能と充分お得なんですが、さらにキャンペーンでPayPayが貰えます(Softbank-Yahooグループなので)。
※キャンペーン情報は別記事にまとめていますのでご覧ください。
LINEMO実体験レポートまとめ
今回は、延べ8か月間利用してきたLINEMOについて深堀りしてみました。
LINEMOの最大のメリットは、キャリア品質の通話&通信をMVNOなみの料金で利用できることにありますが、様々な手数料が撤廃されていて手数料による出費が少ないのも魅力です。さらに、LINE利用時には高速データ容量を消費しない(つまり通信費無料)で利用できるなど、他サービスにないメリットもあっておすすめポイントは高いです。
常に何かしらのキャンペーンを実施しており、お得に加入できるので、検討してみてはいかがでしょう。
それでは今日はこの辺で。